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INTERVIEW

Japanese

青はるまき

2018年08月号掲載

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Member:あきやま さる(Vo/Gt) 花房(Ba) あきら(Dr/Cho) アンドリュー(Key)

Interviewer:石角 友香

バンド・インデックスの上にくるように"青"、バンド名を決めるグループLINEのやりとり中、ヴォーカルがコンビニの春巻きを食べていたから"青はるまき"。一見、考えてなさそうで、"目立ってなんぼ"の素直なメンタリティがサウンドにも直結している。平均年齢19歳、今、リアリティを持って歌えるのは恋愛に関することだと明晰な判断をし、爽快なギター・ロックに、ポップスの味つけをするキーボードを加え、一度聴けばなんらかの引っ掛かりを残す。自然体ゆえに正解を叩き出しても嫌味がない。そんな静岡発の新世代に、初の全国流通盤となる1stミニ・アルバム『クロヒョウ脱走事件』の発売を機にインタビューを敢行した。

-そもそもバンドをやろうって言い出したのは、あきやまさんなんですか?

あきやま:そうですね。もともとみんなバンドをやっていたんですけど、2年前のオーディション("未確認フェスティバル2016")で、僕が曲を応募したら通っちゃって。そのとき、メンバーが僕とアンドリューしかいなかったんで"ヤバい!"ってなって、寄せ集めたメンバーで今も続いている感じですね。

-寄せ集めたと言っても、何か理由がないと声を掛けないですよね?

あきやま:ドラム(あきら)は、もともと学校の後輩で、サポートをやってもらったことがあったのがきっかけです。ベース(花房)は、地元の先輩の紹介で、Twitterですごいベースの動画を上げていたのを見て、"こいついいんじゃないか"ってなって声を掛けました。

花房:それまで全然バンドをやってなかったので、最近、やっと馴染んできた感じです(笑)。

-みなさんの世代だと、最初からバンドをやろうっていう人や、とにかく楽器をやろうっていう人、楽器が買えないからラップをやろうっていう人もいると思うんですけど、みなさんが音楽を始めるときはどんな感じだったんですか?

あきやま:僕は、中学のときにback numberをよく聴いていて。高校時代に仲良くなったバイト先の店長がギターをやってることを知ったときに、"back numberの「花束」が好きなんです"って言ったら、次の日コピーしてくれたんです。それを見て"すごい! こんな弾けるんだ! 鳴ってる! 音が!"みたいな(笑)。そのことが忘れられなくて、ギターを始めました。もともとは、ひとりで弾いて歌うのが好きだったんですけど、高校の寮で先輩が、"お前、むっちゃできんじゃん"、"一緒にやろうぜ"って誘ってくれたところからバンドになった感じですね。

-今、大学在学中ですか?

あきやま:高専っていう5年制の学校です。

-みなさん理系なんですか?

あきやま:がっつりの理系3人と医療系(花房)ですね。

-医療系はなんの勉強ですか?

花房:理学療法士の資格がとれる......。

-みなさん将来、潰しがききますねぇ(笑)。

あきやま:そうですね(笑)。だからちゃんとできるところがあるかもしれないです。ちゃんと地に足を着けて。

-みなさんの世代ってしっかりしてると思うんですよ。

あきやま:あぁ、たしかに友達のバンドもダメだったときのリスクとかをちゃんと考えてて、真面目だなと。結構、ロックって"えーい、やっちゃえ!"みたいな感じですけど、みんな考えてるなぁと思いますね。進路の岐路に立ってる同世代のバンドとかもいっぱいいるんで、そういうのを見て、"あぁ、なるほどな"とか"ちょっと考えなきゃな"って。

-それって、やりたくないことをやってまで、バンドをやりたくないってことなのかな? とも思うのですが。

あきやま:どうなんですかね? やりたいことのためだからできるんじゃないかなと思います。逆に音楽をやっていなかったら、やりたくないことだけってなっちゃうから、どっちのためにも音楽やってるのはいいことなのかなって。

-ほんと、そうですよね。好きなこと1本で頑張るのが美学みたいな考え方もあるけど、分散してる方が生きやすいというか。

あきやま:そうですね。音楽だけになったら、楽しめないんじゃないかな? って気もするんで。日々の生活があるから夢も見られるんじゃないかなと思います。俺、今いいこと言ったよね(笑)?

-(笑)今回のミニ・アルバムを聴かせていただいて、back numberもそうだし、えげつなくないクリープハイプとかに近いニュアンスを感じたんですよ。

あきやま:クリープハイプも、ギターを始めてからは、めちゃめちゃ聴いていたし、歌っていました。初めて観たライヴが"COUNTDOWN JAPAN"で、ワンオク(ONE OK ROCK)や、RAD(RADWIMPS)、back number、クリープハイプを観て"うわっ、ちっちゃい人間がめっちゃでかい音出してる"って感動して。

-あぁ、キャパが広いからですか?

あきやま:はい。もちろん存在感は大きいんですけど、何万人も入る会場で後ろから観たら、ほんとにぽつんとしていて、それでも、でかい音でこんだけの人を動かせるっていうのがすごい衝撃で。それが"バンドをやる"っていうきっかけのひとつになったかなと思います。

-きっかけは真っ当な感動だったんですね。あきやまさん以外は軽音部だったんですよね。軽音に入ろうっていう動機はなんだったんですか?

あきら:"意外"って言われるんですけど、中学まではテニス部だったんですよ。

あきやま:意外(笑)!

あきら:テニスは楽しくて好きだったんですけど、生まれ持ったセンスがなかったというか、運動が向いてなくて。それで、もともと音楽聴くのが好きだったので、新しいことを始めたいなっていうのを、どっかでなんとなく考えていたんですよ。それで、高専に入学して(軽音楽)同好会があることを知って、最初はギターとか弾けたらかっこいいかな、みたいな気持ちで行ったんです。そこで、同じ年代で入った1年生の中の6人でバンドを組もうって話になったときに、すでにギター経験者がいて、"あ、僕ギターできない、どうしよう"と思って(笑)。しかも、最後に残ったギターとドラムを、僕と女の子でどっちをやるか決めることになって、"これ女の子にドラムやらせるのちょっとかわいそうだな"と思っちゃったんですね(笑)。だからドラムは、やりたいと思って始めたというより、始めてみたら思ってた以上に奥深くて、楽しくてのめり込んでいった感じです。