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INTERVIEW

Japanese

YUTARO×フカツマサカズ

2018年04月号掲載

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多国籍のメンバーで構成されるエレクトロ・ポップ・バンド A11yourDaysが、4月25日に2ndミニ・アルバム『I』をリリースする。現在「Hello, my future」「POOL」のMVが公開されているが、そのMVを手掛けたのは、sadsのベーシストであり、レーベルの代表を務めるYUTAROだ。A11yourDaysが持つパワー・ポップの要素やモダンなサウンドの世界観を映像にし、最近は所属バンド以外のアーティスト作品も手掛けるなど幅広い活動をしている。そのYUTAROが信頼し、リスペクトするのが、ONE OK ROCKやUNISON SQUARE GARDEN、KANA-BOONなど多くのバンドのMVを手掛け、現在の音楽シーンに欠かせない映像監督、フカツマサカズ氏。今回はYUTAROからのラヴ・コールで、フカツ氏とともに、今のMVやその役割について話をしてもらった。

ART LOVE MUSIC 代表:YUTARO
フカツマサカズ
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by 上溝恭香

-今日の対談はYUTAROさんが、フカツマサカズ監督を指名しての対談となりますが、おふたりは知り合ってどのくらいになりますか。

YUTARO:僕が昔やっていたバンド、JELLY→のMVを撮ってもらっていたときからなので、十数年来ですかね。

フカツ:俺、未だに高知の夜とか思い出すよ。

YUTARO:昔、バンドでドキュメントを作ってもらったことがあったんですよ(笑)。ツアーにずっとついてきてもらったんですよね。ライヴが終わって、夜一緒に繰り出したりもしました。

フカツ:面白かったですけどね。九州から東京まで、ずっと一緒の車に乗ってたもんね。

YUTARO:それだけライヴについてきてもらっていると、楽器は持ってないけどカメラを持ってるメンバーみたいになっていて。ライヴ中にアクシデントがあると、カメラ持ってステージに出てくるんですよ。トラブルだから本当はいったん中断しなきゃいけないんですけど、フカツさんはステージの上でカメラ持って、"そのままやっちゃえ、やっちゃえ"って、煽ってくる。

フカツ:やっぱり事件が起きた方が面白いじゃないですか。ギターが折れたりとか、バスドラに穴が空いたりとか、いろいろあったよね。

YUTARO:ギターが燃えたこともありましたしね(笑)。そのくらいのときからの付き合いなんです。

-フカツさんは、YUTAROさんが映像をやっていたり、アートワークなどを手掛けたりしているのは、ご存知だったんですか。

フカツ:当時は、映像はまだやってなかったんだよね。ジャケットやグッズのデザインをやってるのは知ってました。

YUTARO:結構相談もしていたんです。そのドキュメントを作っているときにも、"ドキュメント作品のジャケットはこうしようと思っているんですけど"って送ったりして。で、無視されるみたいな。

フカツ:してないよ(笑)。してないですよ。

-そこからちょっとした師弟のような関係で今に至ると。

フカツ:師弟じゃないですけどね。

YUTARO:でもいろいろ教わったんですよ。フカツさんの姿を見て、影響を受けたことはたくさんありますね。

-YUTAROさんは、フカツ監督の映像についてどういうところが良くて、影響を受けたと思いますか。

YUTARO:カット割のリズムですよね。でも、ちゃんと教えてくれないんです。

フカツ:グルーヴ的なものかな。なかなかそういうものは教えられないからね。

YUTARO:音楽は耳から入ってくるじゃないですか。でも、映像は目で見て、カット割でビート感を出していく部分もあると思うんですけど、そこがうまいんですよね。だけど、教えてくれないんです。フカツさんの事務所で一緒に作業してたことがあって。そのときに何度か聞いたんですけど、"まぁ、適当だよね"ってさらっと言われて。でも作業している後ろ姿を見ると、絶対適当じゃないんですよ。

フカツ:でも本当、僕は適当なんですよ。MVも、YUTARO君のバンドを撮ったときもそうだけど、特になんにも決まってないんですよ。こんな感じっていう写真が1枚あるくらいとか、風の中で演奏とか、そのくらいしか決まってないことが多いんです。あまり詰めずに行って、現場で見ながらどんどんひらめていく部分が大きいというかね。その場のアドリブっぽいのは多いよね。

YUTARO:うん、たしかに。

フカツ:YUTARO君は絵コンテとかも書くの?

YUTARO:書かないです。そのへんは、完全に影響を受けてます(笑)。頭の中に漠然とイメージがあって、現場でさらに監督のイメージが膨らんで、仕上がってきたものでちゃんと納得させるっていうのがあるじゃないですか。フカツさんは結構そうだと思うんです。別のパターンとして、ちゃんと絵コンテを描いて、それどおりに進める人もいるじゃないですか。いくつかMVをやっていると、絵コンテみたいなものを求められることがあるんですよ。そういうときは頑張って、構成だけ書くんですけど。まぁ、そのとおりにはならないですね。実際の画を見たら、やっぱりこっち使った方がいいなってなるし。

フカツ:そうだね。前に、ポラロイドでMVを作ったことがあったんですよ。ポラロイドのフィルムを千枚くらい買ってきて、1コマずつ撮るというのをやったことがあったんですけど、全然終わらなくて。ごめん、あと2日撮らせてってやったこともあったね(笑)。でも、撮り終わってもどんなビデオになるのかわからないんですよ。編集をしながら、このカットがいいからこれを使ったらこうなった、みたいなのは多いよね。

YUTARO:ただ、フカツさんのようにたくさん手掛けていると、それが許されないことも多くないですか。

フカツ:まぁ、時間が限られていたりすることはあるけどね。あとは、バンドの演奏シーンをカッコ良く撮ってほしいというオーダーも多いので、演奏はいっぱい撮りますね。20回くらいは平気でやるよね。ライヴ1本分くらいはやるかな。