Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

INTERVIEW

Japanese

YUTARO×フカツマサカズ

2018年04月号掲載

いいね!

ART LOVE MUSIC 代表:YUTARO
フカツマサカズ
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by 上溝恭香

人をちゃんと撮るのが重要な部分なので
人間力みたいなものが画面に出るようにしたい(フカツ)


-先ほどからいろいろと大変だという話が出ていますが、それでもMVを手掛けるその面白さはなんだと思いますか。

フカツ:僕は人をちゃんと撮るのが重要な部分なので。バンドだったらバンドをしている人がいかにかっこ良く、いかに本気かという、人間力みたいなものが画面に出るようにしたいというのが大きいんですね。10-FEETの「ヒトリセカイ」なんかは本気で歌ってもらっているんですよ。その方が、心に残ると思うんですよね。どんなギミックよりも、人間のパワーの方が強いと思うんです。人を撮る、というのをどこまでできるかですよね。ただそれは、ある程度持ってる人じゃないとできないですからね。

YUTARO:アーティスト力みたいなものをね。

フカツ:それをさらに現場でみんなで引き出して、画に収める作業なので。本気で歌うと、喉の血管が浮き出てきたりするし、それがリアリティだからさ。ちゃんと声出して歌ってくださいって言うし。

-A11yourDaysの場合は、まだ新人バンドじゃないですか。バンドの打ち出し方っていうのは大事になってきますよね。

YUTARO:イメージ作りですよね。僕の場合はMVだけじゃなくて、曲作りの段階から一緒にやっているから。曲のアレンジをしながら、これはこういう映像を撮ったらいいなとかイメージが浮かんでくるんですよね。全部が同時に動いてるから、どちらかというとバンドをデザインする感覚に近いですね。

フカツ:バンドのデビューからずっとやっていると、一緒にやってる感が強くて、面白いんですよね。そのバンドが売れてくると、良かったなというのもあるし。

-それぞれ、MVを撮るときのこだわりというものはありますか。

フカツ:俺は飽きっぽいから、作風がバラバラなんだよね。極論、バンドのMVは演奏がかっこいいのが一番な感じがしちゃうから。そこにドラマのシーンを入れるのは、曲のイメージを膨らませるのはあるけど、邪魔な気がしちゃうんだよね。それよりは、演奏をガチでやってくれという感じで。特にバンドがデビューするときなんかは、このバンドですって紹介するのに、違うキャストの映像を入れる意味がわからないとは思っちゃうかな。だから、僕がやるデビューのMVはシンプルにしちゃうんですよね。

YUTARO:それこそさっきも言っていたけど、みんなMVを撮れるじゃないですか。ここ20年くらいでバンド・ブームというか、いわゆるロック・バンドのかっこいい演奏シーンに飛びつく層以外のお客さんも結構いると思うんです。もうちょっとファッション感覚の、ライトな層というか。そういう人たちには、ドラマ系のものが受けるんですよね。A11yourDaysをやるにしても、そういったライトな層にも訴えたいというか。ちなみに、4月に出るA11yourDaysのミニ・アルバムでは、最終的に全曲でMVを撮ろうと企んでるんです。

フカツ:YUTARO君のレーベル(ART LOVE MUSIC)は、MVはフルで観れるようになってるの?

YUTARO:そうですね。

フカツ:YouTubeの再生回数って結構残酷な感じで現れるんだよね。今の若い人たちは、YouTubeでプレイリストを作ってそれを聴いているという感じのようで。音楽代わりで聴いているから、フルじゃないMVは再生回数が下がっているらしいんです。フルで聴けないなら、見ないっていう。雑誌に出るとかもそうだけど、今はいろんな宣伝方法があるじゃないですか。MVの重要度もだいぶ高い気がするんだけど、レーベルをやっていて、そのあたりはどうなの?

YUTARO:だいぶ高いですね。

フカツ:バンドを知る機会として、YouTubeというところが大きいから?

YUTARO:あとは、バンド間の繋がりですよね。誰と対バンするというのがSNSで流れて、このバンドとやるんだ、じゃあ観てみようかなってときに、またYouTubeに辿り着くんですけど。

フカツ:SNS経由で映像に飛んだりするんだよね。

YUTARO:落としどころはそこですね。宣伝に関しては、変にいろんなメディアに出るよりは、いい対バンといいサーキットに出て、そこで結果を出すのが強いんです。

-YUTAROさんはレーベル・オーナーとしての視点もあるので、MVに対してもフカツさんとはまた違った感覚もありますよね。監督は長く音楽シーンでMVを撮ってきて、潮目が変わってきたなと感じたことはありましたか。

フカツ:昔は例えばMTVやスペシャ(スペースシャワーTV)でしかMVは観れなくて、今のように誰でも観れるものじゃなかったですしね。すべては、YouTubeの登場じゃないですかね。映像を作るにしても、空撮で広い画を撮って大きなテレビで見たらスケールを感じますけど、携帯画面で観ると、感覚は違うと思うんですよね。携帯で観るようになってからは、どうしても寄りの画が増えてきた感じもありますしね。

YUTARO:じゃあ、次に撮るのは寄りの画を多くしようかな(笑)。



映像監督、フカツマサカズ氏のアシスタントを募集しています。

詳細は https://factory1994.com/creators/fukatsu/