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INTERVIEW

Japanese

THE BOY MEETS GIRLS

2017年05月号掲載

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Member:高島 大輔(Vo/Gt/Key) 中野 翔平(Gt) DOMESTICKS(Ba) かつくん(Dr)

Interviewer:秦 理絵

今回は保育士である自分のバックボーンも大切にしようと思った


-3曲目の「きみいろクレヨン」は、すごくポップな曲ですけど、夢は叶うっていうことをまっすぐに伝えてる歌詞が印象的でした。

高島:保育園の先生をやってると、子供にいろいろ教えるんですけど、子供から学ぶことも結構あるんですよね。大人だと躊躇するようなことも、周りの目も気にせずに、やりたいものに自分から飛び込んでいくのは、"あ、すごいな"と思うんですよ。大人になると、いろんなことが気になってできなくなってきちゃうけど。その"やってみよう"っていう気持ちが大事だなと思って、それを歌詞にしました。

-この曲は"あ、保育士さんらしい歌詞だな"ってすごく思いました。

高島:今回のアルバムでは、そういう自分のバックボーンを大事にしたいなと思ったんです。みんな(保育士の)免許は持ってるし、子供と関わるのも好きだし。そういう自分たちしか作れない歌を作りたいなと思ったんです。だから、この曲を書いたときに迷いはなかったんですよ。思い描いてた夢を掴める人なんてひと握りかもしれないけど......ウジウジしてても始まらないっていうか。逆に言うと、誰でもそうやって吹っ切って考えられるタイミングもあるから。この曲の歌詞を書くときは、後ろめたさは何もなく"夢は叶うぜ"って書きました。自分たちが歌えば、大丈夫かなって思ってるんですよね。

-ミディアム・バラードの「202」(Track.4)は、春に別れることになった恋人の歌ですけども。部屋番号が出てきたり、主人公がバンドマンだったりして......これは実話?

高島:まぁ、半分ぐらい(笑)。自分の気持ちにピリオドをつけたかったんですよね。

-ボーイミーツの曲で、こういうノンフィクションっぽいストレートな曲が出てきたのは、久しぶりだなと思いましたけども。

高島:よっぽどだったんでしょうね(笑)。

かつくん:こういう曲は『坂巻通り』(2013年リリースの1stミニ・アルバム)のころのボーイミーツらしいよね。

DOMESTICKS:僕らの根本にあるものだと思います。

高島:僕らはバンド名をTHE BOY MEETS GIRLSにしたのも、そういう出会いの瞬間のトキメキを歌おうと思ってたからで、最初は恋愛の曲が本当に多かったんです。だから、そこに戻った感じというか。僕らは大学生のときに、みんな近所に住んでて。バンドをやってたから、大学生っぽい遊びもしてなかったんです。この曲(「202」)でも坂巻が出てくるんですけど、その坂巻通りで飲み歩いたりっていう田舎暮らしをしてて。大学の4年間は狭い世界で生きてたんですよ。そのころの感覚で作ったのが『坂巻通り』だったんです。

中野:たぶん「202」の雰囲気は、そのころに近いんですよね。聴いてもらうと、ボーイミーツの根元の人間味みたいなのが伝わるんじゃないかなと思います。やっぱりこういう曲が僕らの原点だから、持っておきたい気持ちもあるんですよね。この曲を大ちゃんが持ってきたとき、泣きそうになったもん。

かつくん:"大ちゃーん!"ってなるよね(笑)。

高島:感情移入しすぎ(笑)。

-では、最後は「ダンシングシューズ」(Track.5)。これは懐かしのアイドル・ソングというか。ずいぶん振り切りましたね。

高島:この曲は、(かつくんは)ドラムを叩いてないもんね。

かつくん:歌ってます。

高島:デュエットしてるんです。

-ツイン・ヴォーカルじゃなくて、あえてデュエットって言うんですね。

かつくん:それに関しては、完全に大ちゃんのこだわりだよね。

高島:歌詞カードも男性デュエットだからクローバー(♣︎)とスペード(♠)のマークがついてます(笑)。デモでは、普通に僕がひとりで歌って、バンド・サウンドでいくイメージだったんですけど。かつくんとデュエットにしたら面白いんじゃないかと思って、去年の年末に滝さんのスタジオで試してみたんです。そのときに、エンジニアさんに"サビもみんなで歌って、SMAPみたいにしたら?"って言われて。その場にあった1本のマイクにみんなで......あっ、そうか、しょっぴー(中野)は......。

中野:僕は体調不良で行けなかったんですよ。家で寝込んでるときに、すごく楽しそうな写真が送られてくるっていう。

高島:そのぶん治ってから、ギターをがっつり弾いたんだよね。で、そのヴォーカル録りをして、滝さんのスタジオでいくつかデモを作って、レーベルの人たちにも聴いてもらったんですけど。"さすがに出せないんじゃない?"みたいに言われて。

DOMESTICKS:歌のクオリティ的に。

かつくん:歌うのは好きなんですけど、そんなに上手くないから......。

高島:でも、俺はすごく入れたかったから、マジで練習して、見返してやろうと思ったんですよ。かつくんもひとりでスタジオに入ってたよね。

かつくん:うん。大ちゃんにいろいろ教えてもらいました。いろいろボコボコに言われたので(笑)、やるしかないなと思って。まぁ......なんとかできたよね。

-この曲はラップの部分もかつくんですよね?

かつくん:そうなんです。歌はすごく練習したのに、レコーディングは難航したんですけど、ラップは2回しか録ってません(笑)。滝さんも褒めてくれました。

高島:歌詞もラップの部分は、かつくんが考えてくれたよね。

DOMESTICKS:ラッパーの才能があるんじゃない?

かつくん:また大ちゃんが(ラップの曲を)持ってきてくれるのを待ってます(笑)。

-かつくんの新たな才能が芽生えた曲なんですね(笑)。

中野:あと、「ダンシングシューズ」はライヴで踊ろうと思ってるんですよ。

高島:いま、ダンスの先生に習ってるんです。

-それは楽しみ。そういうボーイミーツの本気の遊び心はいいなと思います。最後に、今作を引っ提げた東名阪ツアー"YAAAAAS!! TOUR 2017"の開催も決まっていますが。

高島:やっぱりすごくライヴを意識した5曲なので、自分たちが演奏を見せるというよりは、お客さんと一緒に作っていくライヴにしたいですね。ダンスもあり、デュエットもありっていうエンターテイメントな感じにしたいと思ってます。