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INTERVIEW

Japanese

SILENT SIREN

2017年03月号掲載

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Member:すぅ(Vo/Gt) ゆかるん(Key) あいにゃん(Ba) ひなんちゅ(Dr)

Interviewer:岡本 貴之

-日本武道館や横浜アリーナでのライヴ、ワールド・ツアーを実現するなど多くの夢を叶えてきたと思いますが、まだまだ達成感みたいなものはないですか?

すぅ:その都度の達成感というのはやっぱりありますけど、達成したらまた欲が出るというか。そこに満足しないところがいいのかなって。バンドマンって、満足しちゃったら絶対ダメだと思うので。いつまでもハングリー精神を忘れずに、負けたくない、1番になりたい、絶対自分たちが一番カッコいいはずだっていうのを信じてやっていくことが、続けていく秘訣だと思うんです。どこどこの会場でできたから、わーいっていうのではなくて、次はもっと動員を増やそうとか、そういう気持ちをずっと持って続けていきたいなと思いますね。

-とはいえ、11月でデビュー5周年を迎えるということもあって、バンドとしてもプレイヤーとしても成長してきたことがたくさんありますよね。

すぅ:楽曲の成長っていうのはあると思いますし、各々の技術面で言うと、フレーズにこだわったりっていうのはあります。サウンド・プロデューサーがクボナオキ君なので、前はクボ君が作った音楽をみんなで一緒にやるというスタンスだったんですけど、だんだんライヴを重ねていって、自分が考えたフレーズやニュアンスだったりとかをこっちから投げ掛けるようになりましたね。RECのときは最初にリズム隊ふたりで録るんですけど、そのあとに歌を録るので、デモで聴いてたフレーズと変わっているとすごくテンションが上がって、"そこ変えたでしょ!?"って言うんです。自分で持ってきたフレーズがサイサイらしくなってるところは昔と変わってきたんだなって思いますね。

-メンバー同士の変化に気づくことも多い?

あいにゃん:気づきますね。最初はRECもライヴも自分のことで精一杯だったんですけど、経験を重ねるごとに、自分がこうしたいっていうフレーズもそうですし、すぅが言ったように他のメンバーがRECで変えたりライヴ中に音源と違うことをやったりするとすごくテンションが上がるし、各々のパートを尊敬しているというか。自分がその楽器しかできないからこそお互い褒め合って今までやってきたので、そういうのが続いてみんなが成長してきて、ライヴ中もリハーサルとは違ってその場で目が合う瞬間、ライヴ中の楽しい瞬間が増えてきましたね。

-たしかに、ライヴ写真を見ても笑顔で顔を合わせているシーンが結構ありますね。

あいにゃん:決めてやったわけじゃなくて、そのときの感情でやっている瞬間を写真に撮ってもらえているのは嬉しいですね。

すぅ:すごく言われるんです。"サイサイってめっちゃメンバーでアイコンタクトするよね、楽しそうだね"って。ファンの方からもそうだし、ライヴに来てくれた友達のアーティストとかカメラマンさんにも、とにかく"ライヴをやってるメンバーが楽しそう"って言われるんです。

-「フジヤマディスコ」はファンクで、ディスコで、EDMで、ラップ調なヴォーカルがあって、それでいてロックな曲ですが、アレンジはどんなところを目指したんでしょうか。

すぅ:もともとはこの曲が推し曲になると思っていなくて。でも、シングルにするタイミングで何曲も挙げていって、その中でも移籍第1弾としてインパクトのあるもので、今までのサイサイを感じさせないというか、良い意味で裏切る曲をリリースしたかったし、この曲を出したらみんな驚くんじゃないかと思って。歌詞も決意表明みたいなものになっているし、これしかない! ということでこの曲になったんです。ただ、こういうタイトルなので"どんな曲なのかな?"って気になると思って、曲はカッコよくしようと。最初にギターのカッティングから入ってベースのスラップが入って、シンセのリフも耳に残るし、ドラムも複雑なことをやっていて。でもミドル・テンポなので歌詞もちゃんと聴き取れるっていう、そういうポイントは残そうっていうことでこういう曲になりました。各々の目立つポイントもところどころあるので、1曲を通して楽しめるものにしたいなと。

-それぞれタイプの違う4曲が収録されていますが、1枚を通してどんなシングルにしたいと思いましたか?

すぅ:「フジヤマディスコ」以外の曲は、5、6年前からある曲をリアレンジしたものもあれば、前のアルバムのタイミングで作った曲もあるんです。昔からの私たちとこれからの私たちが組み合わさってSILENT SIRENになっている1枚だと思っています。「Pandora」(Track.3)や「Days.」(Track.4)はインディーズ時代にあった曲をリアレンジして収録しているので、私たち的には懐かしさもあるけど新鮮さもあって。再出発する1枚目のシングルには相応しいものになったと思います。昔の曲からはアレンジもメロも変わったので、面影がちょっとあるくらいです(笑)。

-「Pandora」はサウンド・プロデューサーに鈴木秋則さん、ワード・プロデューサーにいしわたり淳治さんが参加していますが、曲としてはだいぶ変わったんですね。

すぅ:全然違いますね。もともとこの曲は、"徘徊"っていうタイトルでライヴで何回かやっていたんです。でもBメロとサビが丸々変わって、もともとメインがギターのリフだったんですけど、そこをピアノでバッキングするアレンジにガラッと変えたことによってすごくファンクな感じになったので、曲のイメージがめちゃめちゃ変わったことには新鮮さがありますね。でも(クボ君を含め)5人だけじゃなくて、プロデューサーさんを入れることによって、自分たちの作り上げてきた音楽の概念を壊してくれるというか、"こういうのもあるんじゃないか"っていう提示をしてくれたので、それはすごく刺激になって良い要素がプラスされたと思います。

-「Pandora」でのゆかるんさんは「フジヤマディスコ」とはまた違う役割を果たしていますが、どういった流れでこういうアレンジになったのでしょうか。

ゆかるん:鈴木秋則さんが、主にピアノをやっている方ということもあって、アレンジも主にピアノをやっていただいて。もともとデモの時点であったクボ君が考えたアレンジをブラッシュ・アップさせた感じなんです。もとの曲の「徘徊」はインディーズ時代の曲なので、私はバンド加入後に一度だけしかライヴでやったことがなくて。そのときのピアノとも全然変わっているので、さっきすぅが言ったように本当に面影だけ残っているくらいであとは全部変わってますね。アレンジしてくださる方が違うとこんなにも違うのかっていうくらい、いつもは弾いていないピアノのフレーズで、すごく新鮮でした。"こんな弾き方したことない"というものもたくさんあったので、そこは鈴木さんに教えてもらいながら。そもそもこのくらいのBPMの速さでピアノを弾くことがなくて、バラードで弾くことが多かったんですよ。なのでそれ自体新鮮だし、新しい発見をした曲になりましたね。