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INTERVIEW

Japanese

H△G × ORESAMA

2016年12月号掲載

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H△G:Chiho(Vo) Yuta(Gt)
ORESAMA:PON(Vo) KOJIMA(Prog/Gt)
インタビュアー:沖 さやこ

-H△Gのスプリットはジャケットも相手のニュアンスを組み込むのが特徴ですが、今回はORESAMAのアートワークを担当している、うとまるさんの書き下ろしイラストです。

Chiho:うちのバンド・メンバーのDJ Shokoと一緒にORESAMAのMVを見て"この絵めっちゃかわいいよね! 最高だよね!"とずっと話していたので、今回自分がその絵の中に入れたのはすごく嬉しくて。PONちゃんが私と同じ制服を着ていて、KOJIMA君もその男の子バージョンの制服を着ているんです。

PON:KOJIMA君の制服にサングラス、相当イキッてるよね(笑)。でもマネージャーさんに"PONちゃんの制服にキャップもなかなかだよ"って言われて(笑)。そういうポップな感じもが楽しいなと思います。私たちは高校で制服を着てないから、それもめっちゃ嬉しかったよね。

KOJIMA:ね、すごい嬉しかった! うちらの学校は私服だったからね。

PON:しかもH△Gのみんなと同じ高校だし。ダブルで嬉しいよね。

-H△GもORESAMAもカバー以外には新曲を収録。お互いの収録曲も、両者ともかなりお気に入りだそうですね。

一同:めっちゃ好きです(笑)!

KOJIMA:僕は曲を作るうえで"歌っていて楽しい曲"を目指しているので、本当に今回のH△Gの2曲も好きだなと思いますね。特に歌いながら"サビ来るぞ!"と実感できるような曲が僕は好きで、サビに入る瞬間が前のめりなのはまさにそれでした。歌っていて楽しいのは、勝てない部分だなと。

Yuta:嬉しいです。僕はよく朝、洗濯物を干しながら今回のORESAMAの曲を聴いています(笑)。トラックの音もすごく気持ちがいいので、1日のスタートにぴったりで。音の隙間の使い方とかが気持ちいい。

KOJIMA:僕は好きな音楽がソウルとか、70~80年代のR&Bなんです。あの時代の曲っていい意味で隙間だらけなんですよね。そういうものばっかり聴いているので、音の隙間はすごく意識していて。僕は疾走感のある曲よりBPM130くらいのテンポが一番作りやすい。そこはこだわりですね。

-収録曲のコンセプトは?

PON:ORESAMAのファンだけでなく、H△Gのファンにも聴いてもらいたい曲という基準で収録曲を考えました。私は歌詞を書いているんですけど、H△Gには"青春"のイメージがあるので、いろんなものに悩んだり、ぶつかったり――それでもすべてが美しくてキラキラしている。そういうものが好きな人にもORESAMAを楽しんでもらえるような言葉を選びました。例えば「綺麗なものばかり」(Track.4)は、愛されたいけれど、どうしたらいいのかわからなくて、いい子を演じて愛してもらおうとする。でもいい子ばかりではない自分の間に挟まれていてもがく......という結論の出ていない曲ではあるんですけど、私がまさにそういう人間で、そういう人はいっぱいいるんじゃないかなと思って書いた歌詞です。このスプリットには絶対に入れたいなと思って。

KOJIMA:"H△Gのファンにも聴いてもらいたい"というのはトラック面でも同じなんですけど、僕はH△Gのメロディがすごく好きなので、ORESAMAとしてもメロディアスな楽曲で、それでいてORESAMAっぽいちょっとノれる、踊れるトラックというものが噛み合った楽曲を入れたかったんです。

Yuta:「東京夜想曲」(Track.2)はH△Gから見た東京がテーマになっているんですけど、この曲は東京を拠点に活動しているORESAMAと一緒にスプリットを出すからこそ、絶対に収録したい曲でした。だから僕らとしても裏テーマとして東京の人たちへのメッセージが入っている曲になりましたね。ORESAMAと一緒にやることで、新曲2曲とも今までのH△Gとは違う形の楽曲を収録できたので、面白いものになったと思っています。

Chiho:"夜を想う"と書いて"夜想曲"。夜は静けさや闇に包まれるぶん、いろんなものを感じることが多い時間かなと思うんです。自分たちが住んでいるわりと田舎な場所と、ORESAMAが活動拠点にしている渋谷といういろんなものが溢れている場所では、感じることは違うんじゃないかな......と思っていて。作る場所によって音楽もどんどん変わっていくんだろうな、この場所ではどんな悩みがあって日々過ごすんだろう......といろいろ考えさせながら歌う曲で。だからいつもより強く攻めるような言葉やメロディを使っているんです。

H△Gの「東京夜想曲」とORESAMAの「Dreamin' Pops」は目線が同じ

-これがH△Gにとっての東京/渋谷のイメージ。サウンドもピリッとしながら、優雅なストリングスは夢の世界を思わせます。

Chiho:やっぱり東京は夢を持った人がたくさん集まる場所だと思うんです。その中で天にも昇るくらい成功する人もいれば、人生の地の底に落ちるくらいの人もいて......それくらい東京にいる人たちは極端に違うというイメージがあって。私たちも岡崎に住んでいて、友達が上京することもたくさんあったし、その中には夢を持っていたけれど打ちひしがれて地元に帰ってくる子もいたし。そういうイメージから歌詞も制作されていきました。悪いイメージを持っているわけではないです(笑)。

PON:......実はORESAMAの「Dreamin' Pops」(Track.5)も渋谷の夜をイメージして書いた曲なんです。渋谷は夜中まで騒いでるグループが結構いて、私はそういうグループの中にいるのが苦手で。でもその中にいるとしたら、馴染めるように頑張らなきゃ! みんなとテンション合わせなきゃ! と思うんですよね。だからグループの中にひとりくらいは"なんで私こんなに頑張ってるんだろう?"、"こんなに人に流されて、何のために生きてるんだろう"とふとしたときに思ってしまう子がいるんじゃないかな、といつも思うんです。そういう子たちが無理をして遊ぶのは、空っぽな自分だったり、目指すものがわからなくなっている自分への虚しさに気づきつつも、でも、少しでも笑って生きていたいからなのかなって。そういう子のことを書いた歌詞なので、「東京夜想曲」と視点が近いのかなと思って嬉しかったです。

-なんという偶然。

PON:私たちは渋谷を拠点に活動しているけれど、ふたりとも出身は長野なので、田舎者目線で東京という街を見ているんです(笑)。夢を持った人が渋谷にいっぱいいることもわかっているし、うまくいくことばかりじゃないという曲も実際書いていますし。だからH△Gとは目線が一緒なんだなと思います。