Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

INTERVIEW

Overseas

JIMMY EAT WORLD

2016年11月号掲載

いいね!

Member:Jim Adkins(Vo/Gt)

-前作ではアナログ・テープを使ったレコーディングを導入したそうですが、今作はどのような形でレコーディングしたのでしょうか?

今回はキーボードを多用しているんだ。バックに使われているときもあるね。Justinはキーボードの才能があるから、MIDIとか、僕たちが今まで使わなかったようなキーボードの使い方をすることができた。あれは結構新しい試みだったね。

-「Integrity Blues」はアンビエントな感じで新鮮ですよね。

そうだね。他にも今までやらなかったような変なことをいろいろやっているよ(笑)。

-今作の収録曲の中で、個人的に一番気に入っている曲とその理由を教えてください。

うわぁ(笑)。たぶん、メンバー全員違う答えになるんじゃないかな。......「Integrity Blues」は今までやってきた曲の中でも気に入っているね。(今回のアルバムだけじゃなくて)今まで作ってきた曲の中でも、とてもシンプルなメッセージを、映画のような形で伝えていると思うんだ。

-たしかに映画のような雰囲気がありますね。まだ歌詞は拝見できていませんが、タイトル曲でもありますし、アルバム全体を映画のような形で包んでいるのではないでしょうか。

......そうだね。まぁ、アルバム全体もそんな感じのアプローチではあるけど。コンセプトと、その意味を深く掘り下げたときの話なんだけど、最終的には"いい曲"っていう雰囲気になればいい。とてもシンプルながらも、深く掘り下げることのできる要素を持っているものに、今までもずっと魅了されてきたしね。

-アートワークにも同じことが言えますよね。JIMMY EAT WORLDのアートワークは、今までどのアルバムも印象的且つ抽象的で、"どんな意味だろう?"と考えさせられるものが多いです。今作のアートワークを、あなたがひと言で表現するとしたら?

写真は全部Natalie O'Mooreが撮っていて、コンセプト関連の作業を僕と一緒にやってくれたんだ。"どこにいようと、進歩の過程の中にいる自分を見つける"というものだね。自分が進歩の過程にいるにすぎないという事実を受け入れることは、ある意味、自分自身を解放することでもあるんだ。孤独な作業かもしれないけど、なんらかのアクションを起こす必要があるんだよ。アートワークでは主人公が様々な環境に身を置くというイメージで旅をしているんだ。進歩しながら、ある道を歩いているという感じだね。

-どうやら今回のアルバムのキーワードは"in progress"のようですね。アートワークも音楽も、たぶん歌詞も。

そうかもしれないね。

-前作『Damage』で結成20周年、今作『Integrity Blues』ではメジャー・デビュー20周年となります。JIMMY EAT WORLDがここまで長期的に活動を続け、そしてコンスタントに作品をリリースできる秘訣は、あなた自身はなんだと思いますか?

そうだな......グループで何か作業をするときというのは、"秘訣"と言うのもなんだか違う気がするけど(笑)、互いにリスペクトし合うことが大事だね。そりゃあ僕たちだって、バンドのあり方について議論が白熱してケンカになってしまうことがあるけど、意見が衝突したときもみんなに対してリスペクトの念を持ち続けていられれば、みんながなんでこんなに熱くなっているのか、ケンカしているのか――それは自分が求めているものと同じもののためなんだってことに気づくんだ。みんなベストの結果を手に入れたいって思っている。自分のエゴをちょっとチェックして、この人が闘っているのは自分が欲しがっているものと同じもののためなんだってわかれば、その人の発言が自分に対するあてつけなんじゃなくて、実はインスピレーションを与えてくれるものだってことに気づく。というか、音楽に対して情熱的な視点がない人とはむしろ一緒にやりたくないよね。

-日本でのJIMMY EAT WORLDのライヴは"FUJI ROCK FESTIVAL '11"が最後で、前作『Damage』のタイミングでの来日は残念ながら実現しませんでしたが、それまで何度も来日公演を行ってくれている中で、あなた自身の一番印象的な日本の思い出はなんですか?

ほんと、長すぎるよ! 日本に行ってプレイするのは大好きだからね。素晴らしいファンがいてくれる場所なんだ。なんとかしてもうすぐ行けるようにしたいよ。とにかく、キャリア全体を通してずっと応援してくれていて、本当にありがとうと言いたいね。僕たちの音楽や僕たちのやっていることに、今でもみんなが繋がりを見いだしてくれているのが嬉しいし、光栄に思うよ。早くまたそっちに行ってプレイしたいと思っているんだ。

-そのころには『Damage』の曲も新作もばっちりマスターして、みんなで一緒に歌いますよ。

いいね! そうなったら最高だよ! ありがとう!