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INTERVIEW

Japanese

MARQUEE BEACH CLUB

2016年08月号掲載

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Member:コイブチマサヒロ(Vo/Gt/Syn) シマダアスカ(Vo/Per) ミヤケマサノリ(Gt/Syn/Per/Cho) イシカワヒロヒサ(Dr/Cho)

Interviewer:石角 友香

シンセ・ポップというには存外、ベース・ミュージック的な音の太さもあり、しかも男女のツイン・ヴォーカル且つシンガロングの要素も詰まった、現代のエレクトロ・ダンス・ミュージック。それがMARQUEE BEACH CLUBの特徴だ。茨城県水戸市を拠点とし、東京との距離感、枠にとらわれずメンバーの趣向が反映された肩肘張らない必然的な新しさが2016年らしい。Apple Music注目のアーティストにも選出されるきっかけとなった「eye」を含む1stアルバム『Flavor』について、キーマンのコイブチを軸に、内なる熱さを秘めたメンバーに話を訊いた。

-MARQUEE BEACH CLUB(以下:MARQUEE)は、そもそもはコイブチさんのソロから始まっているとか。

コイブチ:そうですね。前身バンドではギターをやってたんですけど、そのバンドが活動休止して。けど、どうしても音楽を続けたかったので、新しい作品は録り溜めてて、それをMARQUEE名義でリリースしたのが最初ですね。

-2000年代のUSインディーや、日本のエレクトロ・ダンス・ミュージック――例えばサカナクションとか、あとはここ2年ぐらいのYOUTH WAVEのどこかだけに偏ってる感じがないのが新しいなと思いました。

コイブチ:ありがとうございます(笑)。音楽を続けていきたいっていうところから始まってるので、とにかく良いものを曲に詰め込んでいきたくて。どこの枠組みにも入らないっていうのはそこからきてるのかなと思ってます。あと、バンド内で年齢が離れていて、一番上が27歳で一番下が21歳なんですよ。だから聴いてきた音楽もみんな結構違うので、その共通項がMARQUEEになった感じですかね。

-共通項になっているところでいうと?

コイブチ:僕が影響を受けたのは、2008年から2010年にかけての海外アーティストとかなんです。このメンバー6人は音楽の話をする仲間でもあるんですけど、"やっぱいいよね"ってなるのはそのあたりの年代の音だったりするので、そういうところは共通項なのかなと。海外で主流となっている音楽がロックからエレクトロに変わってきてると思うんですけど、そのいいとこ取りをしてるのは、それこそPHOENIXとか、PASSION PITとか、あとはFOALSとか、その年代の洋楽バンドで。でもみんな結構振り幅が大きいですね。

-そもそもみなさん水戸市在住なんですか?

コイブチ:そうですね。水戸在住です。

-ライヴハウス・シーンの繋がりなんですか? それとも大学の先輩後輩とか?

コイブチ:大学の先輩も後輩もいるし、あとライヴハウスで繋がったのは女性ヴォーカルの(シマダ)アスカちゃんですね。彼女はもともとシンガー・ソングライターをやっていたんです。

シマダ:イベントに呼んでくださったり、ライヴに来てくださったりしていたので、そこで繋がりました。まぁ、地元の音楽やってる先輩ですね。

-水戸の代表的なシーンってあるんですか?

コイブチ:水戸だとギター・ロックが意外と強かったりしますね。あとは重めのバンドかな? なので、MARQUEEは突然変異じゃないけど、あんまりいないタイプのバンドな気がしますね。

-水戸で気が合う人が見つかったのがすごいなと。

コイブチ:(笑)まぁ、飲み仲間というか、いつもよく会って喋ってたメンバーなんで、遊びの延長みたいな、"面白いことやりたい"っていう延長で集まった感じですね。

そういうのって健全ですよね。誰かひとりのヴィジョンがあって、"勝ちにいこうぜ!"っていうわけではなく。

一同:(笑)

-緩やかな繋がりというわけですね。でもこれだけ活動が本格化してくると、そうも言ってられなくなるんじゃないですか?

コイブチ:でも、あくまで好きな曲を作りたいなっていう思いはあるんですよ。MARQUEEの根本には、音楽は消費されるような"商品"じゃなくて"作品"という形でリリースしたいっていうのがあるので。やっぱり今は、なんでもデータでやりとりできる時代なんで、そこは物というか、ちゃんと盤に落とし込んで音楽を出したいし、そういうところは大事にしていきたいなと思っています。

-根っこになってる部分でいうと?

コイブチ:昔からJ-POPは聴いてて、小学校のときには先生が授業でTHE BEATLESの映像を流してくれたりして、小さいころからそういうポピュラーな音楽に触れる機会が多かったんです。そこから高校生のときにいろんなギター・ロックを聴いたり、いろんなライヴに行ったり、大学で洋楽を知ったりして、そうした中でポピュラーな枠組みに海外の音楽の影響も持ち込めるなと思って。バックグラウンドをひと言で説明するのは難しいんですけど、ポピュラーな音楽を好んで聴いてきて、自分でもそういう音楽を作りたいという思いはありますね。