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INTERVIEW

Japanese

TRY TRY NIICHE

2016年07月号掲載

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Member:ヲクヤマ(Pf/Vo) 柴山大樹(Gt) たなべあきら(Ba) ゆーみん(Dr)

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

-今年の3月には、"DayDreamBeliever"のグランプリということで"スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2016"のオープニング・アクトとして赤坂BLITZでライヴを行ったそうですが、いかがでしたか?

ヲクヤマ:リハーサルの段階では"わりといけるやん"って思っていたし、本番のときもお客さんがすごくあたたかかったんですけど......帰ってからビデオで観てみたらめっちゃ緊張してて(笑)。

柴山:僕も緊張しましたけど、それよりも楽しさが上回りましたね。

たなべ:僕は意外と緊張しなかったですね。逆に開き直っていたというか。

ゆーみん:私は(緊張で)もう記憶がないくらいで(笑)。"他の4バンドと同じぐらい良いライヴをしなきゃ"って意気込んでいたんですけど、やっぱりあとからビデオで観たら(4バンドのライヴが)すごかったので、力の差を見せつけられたというか。いろいろ勉強になったと思います。

-そしてグランプリの特典ということで、このたび1stミニ・アルバム『FLOWERING』でSPACE SHOWER MUSICより全国デビューします。早速音源を聴かせていただいたのですが、6曲とも違う響きをしているのが面白いなと思いました。そもそもみなさんはどういう音楽がルーツにあるのでしょうか?

ヲクヤマ:僕のルーツはゲーム音楽ですね。もともと作曲を始めたきっかけが、自分が作ったゲームに音楽をつけたいなっていうところだったので。

-え、ゲームを作っていたんですか?

ヲクヤマ:はい。小学生のときに"RPGツクール"っていうソフトをめっちゃやっていたんです。なので、曲作りは小学5年生のときに始めました。

柴山:僕のルーツはフォークですね。19がすごく好きで、その人たちがきっかけでギターを始めました。ずっとアコースティック・ギターを弾いていたんですけど、ひとりでやってるのも面白くなくなってきて(笑)。レスポールを友達に譲ってもらって、そのあと楽器屋に行って"誰か(メンバーを)紹介してください"ってお願いしてバンドを結成しました。

たなべ:僕はWEEZERとか、ポップでもエモーショナルな感情が曲の中に入っているバンドが好きなんです。最初はギターから始めたんですけど、そのときはずっとHi-STANDARDとかELLEGARDENとか、メロコア・バンドのコピーをやっていましたね。

ゆーみん:私は中学生のときに吹奏楽部に入ってて、そこで先輩に教えてもらって初めてドラムを触りました。そこで"楽しい!"と思って、高校生になってから軽音楽部に入ってドラムだけに専念するようになったんです。ドラムを始めてすぐにChad Smith(RED HOT CHILI PEPPERS)のことを教えてもらって、そこからレッチリを聴くようになりました。さらに"Chad Smithが好きならこの人も好きだと思うよ"ってJohn Bonham(LED ZEPPELIN)を教えてもらって、そこからLED ZEPPELINにハマッて......。

-趣味は結構バラバラなんですね。だからこそバンドとして出てくる曲が多彩になるのかもしれません。

たなべ:そうかもしれませんね。

-あと聴いていて思ったのが、"デビューしました! イェーイ!"みたいなテンションではないですよね。全然浮ついてないというか。

ヲクヤマ:そもそも"DayDreamBeliever"でグランプリを獲得する前からCDを出すっていう話はしていたんですよね。なので"デビューだから"っていうのは意識せずに、(今作には)ただ自分たちのやりたい音楽を詰め込んだだけっていう感じです。ただ、1st EPの『open the door』(2015年11月リリース)は結構ポップ寄りで作ったので、次はロックな部分を前面に出してみようっていう話はしていました。

-そうなんですね。いや、びっくりしたんですよ。普通、デビュー作のリード曲(Track.2「水面の果て」)で"夢の墓場"なんて単語は使わないじゃないですか。

一同:ははははは!

ヲクヤマ:でもその曲がきっかけで"DayDreamBeliever"にも入賞させていただけたので、大事な曲なんですよ。

-まぁ、この言葉もネガティヴな意味ではないですしね。この曲は特に顕著なんですけど、音も言葉も中身が詰まっているというか、重さがある気がして。それって音楽以外の道を断ったっていう覚悟が表れているからなのかなと思ったんです。この曲はどういうイメージで作ったんですか?

ヲクヤマ:人間って、夢や憧れを持ってて、"こうなれたらいいな"とか"次はこういうことをしてみようかな"と思うものだと思うんですけど、それが叶うか叶わないかは別として、いつかその夢を捨てちゃうんですよね。どんどん増えていって捨てていって、また新しい夢を見る、の繰り返し。それがなんか埋立地みたいだなと思ったんです。それは全然悪いことではなくて、"捨ててきた夢や憧れがあるからこそ今の自分たちがあるんだよ"というのが一番歌いたかったことですね。僕たちは"MASH FIGHT"っていうオーディションでは優勝を逃してしまったんですけど、この曲はそのときに勢いで書いた曲なんです。なので、今おっしゃっていたように、自分の夢を再確認するため――"自分は音楽で生きていきたいんだ"っていう思いを再確認するために書いた曲でもあります。