Japanese
FIVE NEW OLD
2016年06月号掲載
Member:Hiroshi(Vo/Gt) Wataru(Gt/Cho) Yoshiaki(Ba/Cho) Hayato(Dr/Cho)
Interviewer:山口 智男
-今作でもそうだと思うんですけど、Wataruさんのギターは音楽性の変化とともにかなり変わりましたね?
Wataru:そうですね。鳴らしている音がコードからフレーズに変わりましたし。ポップ・パンクをやっていたころと比べると、しっとりとした大人っぽいプレイになったと思います。
Hayato:(ギターも)ポール・リード・スミスからフェンダー・ジャズマスターに変わったもんな。
Yoshiaki:アンプも変わったし。
Wataru:そうそう。大型のスタック・アンプでスピーカーがドーンではなくて、四角い箱にスピーカーが1個ついているみたいな(笑)。それぐらいの違いはありますね。
-さて、今作ではバンドのどんな姿をアピールしたいと考えたんでしょうか?
Yoshiaki:前作から、ひとり1曲、自分の中でのリード曲を考えてきて、それをみんなで話し合ったうえで、Hiroshiに作ってもらうという曲の作り方をしていて。今回も同じように、それぞれのアイディアをもとに曲を作ってから、どの曲を収録してどの曲をリードにするのか決めたんですけど、大きなテーマとしては"曲の幅をさらに広げることにチャレンジする"というのがありました。
Hiroshi:それぞれにアイディアを出し合うといっても、それに対して、他の3人のアイディアが加わると、最終的には4人全員がかっこいいと思えるものになる。例えば、今作のタイトルになっている「Ghost In My Place」(Track.1)も、もともとはYoshiakiが持ってきたピアノ・バラードをドンズバでやってみたんですけど、それじゃ面白くないなってことで、Wataruと僕が最近聴いているハウス・ミュージックのようなビート感を加えたらこういうソウルっぽい歌も映えるんじゃないかといった試行錯誤をして、現在のような形になったんです。他の3曲も同じように、ひとりひとりがやりたいことをそのまま形にしたわけではなく、4人で考えたものとしてアウトプットしているんです。
-では、Track.2「Follow Your Heart」は誰が持ってきたアイディアを、どんなふうに形にしていったんでしょうか?
Hiroshi:その曲は、まず僕が80年代リヴァイヴァルを意識したものを作りたいなと思って「Poison」(Track.4)を先に作りました。それでINXSとかの影響を形にしたんですけど、1曲だけ80年代っぽい曲があっても浮いちゃうから、バランスを考えて他にもアンセムっぽい曲も入れた方がいいよねって話になったときに、みんなで歌えるアッパーな曲を80年代の色で仕上げていこうってことで作ったのが「Follow Your Heart」でした。
-たしかに「Follow Your Heart」のキーボードの音色は、いかにも80年代っぽいですよね。懐かしいと思いました(笑)。
Hiroshi:その時代を通っている方は懐かしいと思うんだろうなって。ただ、ちゃんと再現できてるんだろうかってちょっと心配ではあったんですよ。僕、90年生まれなので(笑)。
-「Poison」も、"そういえば80年代にこういう曲を聴いたよな"って懐かしかったですよ(笑)。でも、みなさんにとっては新しいんですよね、きっと。
Yoshiaki:そうですね。僕らのお父さんお母さん世代には懐かしい音だと思うんですけど、僕らよりも下の世代の子たちには新鮮に聴こえると思います。完成してから、いろいろな人たちに聴いてもらったんですけど、好きな曲がそれぞれ違うので面白いんですよ。
-Track.3「Black & Blue」はどんなふうにできあがったんですか?
Hiroshi:「Black & Blue」はFIVE NEW OLDでやるやらないは関係なく、僕が遊びで作って、ひとりで形にしたんです。それが、制作時に"締め切りがやばいのに曲数が足りない。そうだ、1曲あった"ってみんなに聴かせたら、レーベルもメンバーもみんな"これ、いいやん!"って(笑)。素直な曲というか、わりとすぐにできた曲です。全部ひとりで作っちゃったんで、僕の趣味が出た曲ではあるんですけど。
Hayato:その「Black & Blue」が素直すぎたから、他の3曲はしんどかった(笑)。
Yoshiaki:"これで完璧"って僕ら4人で決められなくて、締め切りがないと永遠に作り続けてしまうというか(笑)。悩み始めると、ループにハマッてしまうんです。
Hiroshi:山下達郎さんがどこかで言ってたように、"これで完成です"ではなくて、"締め切りだから、これでいきましょう"ですね。もちろん、そこまでにできるだけのことを詰め込んではいるんですけど、たぶん、締め切りを与えられないと、僕らは完成させられない。特に、「Ghost In My Place」なんて4~5パターン作りましたからね。
Yoshiaki:コンセプトは一緒なんですけど、もともと作っていた音からどんどん変わっていって。
Hayato:最初の面影ないよな。
Hiroshi:もともとはAlicia Keysのようなソウル・バラードだったんですけど、そこから二転三転。かなり複雑なビートになったときもあったし、EDMみたいな曲になったときもありました。こんなにアゲポヨにすることないんじゃないかってくらい(笑)。
Hayato:ヒップホップみたいなトラックになったときもあったな。
-今回、曲の幅広さを表現できた曲というと?
Yoshiaki:やっぱり、「Ghost In My Place」かな。
Hiroshi:ヴォーカリストとしては、歌い方にキャラクターをつけることを意識した「Poison」。でも、それぞれに幅は出せたと思います。LIVE INFO
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