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INTERVIEW

Japanese

SUNDAYS

2016年06月号掲載

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Member:冬実(Vo) 宮田 誠(Gt) aki(Ba) 渡辺 和己(Dr)

Interviewer:岡本 貴之

-その感覚を言葉にして表すのって難しいですよね。

冬実:そう、それが難しくて。自分が体験している感覚を、もっともっとそのまま曲に落とし込めるようになりたいなと思ったし、温度が伝わるような書き方を意識しました。それは今回の作品で初めてちゃんと挑戦したかもしれないです。

-ずっと聴いてきたファンにとっては意外に聴こえる曲なのではないですか?

冬実:"ふーちゃんそんなこと考えているの!?"ってみんな思ったかもしれないですけど(笑)。サウンドも新しいし、実際ライヴでもやっているのですごく評判が良くて。

宮田:盛り上がるよね!?

冬実:うん、盛り上がってすごく嬉しいです。

宮田:この曲のリフは、前から自分の中にはあって、今までのアルバムでは出番がないかなって思っていたんですけど、今回は"ここで出せるかも"と思って出してみました。歌詞も、必ずしも激アガりみたいな内容ではないにもかかわらず、ライヴでやってみると拳が上がるし、盛り上がるのでそれはちょっと面白かったですね。

-ラストの「GIRL'S SECRET」(Track.5)はストリングスや讃美歌のようなコーラスが入っていて、最後の曲に相応しい雰囲気ですね。女性らしさがより際立っているように思えます。

冬実:この曲はそこを一番意識しました。akiちゃんから曲が上がってきたときに、ものすごく健気に生きている女の子を私はイメージして。"akiちゃんめっちゃ女子だな"と思いました。

一同:(笑)

冬実:女の人って、いくつになってもめっちゃ女の子だと思うんですよ。おばあさんやお母さんとか見ていて"めっちゃ女の子じゃん!"って思うときが未だにあって。電車に乗ってても、すごくオシャレしてていつまでも生娘みたいなおばあさんとかいるし、本当に女の人ってかわいいなって思うんですよ。でも女性って男の人に"選ばれる性"だから、そこに対するコンプレックスというか、すごく切ない思いを抱いていたりして、女の子の心の中って実はめちゃくちゃ複雑なんですよ。それをあんまり生々しくない形で、だけどリアリティをもってみんなに"わかる! そういうことあるなぁ"って思ってもらえるような曲に挑戦してみたくて歌詞を書きました。でも、今までの私はそういう女の子の本音をあんまり歌ってこなかったし、スーパーマンでいたかったので、絶対弱いところを見せないぞと思って"バリバリ強いです!"ってやってきたので(笑)。そんなパブリック・イメージの私が、"実は......"ってちょっとナヨナヨしてたら、"えっ!? ふーちゃんそんな子なの!? びっくり"みたいに思われてマイナス・イメージになるかなというのも少し考えたんですけど、今回は"スーパーマンにも疲れるときがあるぞ"と(笑)、そういうところを見せてもいいかなって。みんなすごく人間臭いし。そこは今回勇気を出してみました。

aki:ふーちゃんと私は同じ女性ですけど、かなり性格が違うんですよ。ふーちゃんから出てくる言葉って自分の中には全然ない発想だったりするから、歌詞を見たときに面白いなと思いましたね。

冬実:でも逆にakiちゃんが書いてくる歌詞は私の中にない発想だし、今回の作品は特に自分の中にない価値観を補い合えば、それでいいのかなって思えたかなあ。なんかやっとそういうふうに柔軟に考えられるようになってきました(笑)。

-この曲のドラムは心臓の鼓動みたいですよね。

冬実:うんうん、すごく響いていますよね。

渡辺:この曲は空気感がすごく重要だなと思っていて。それでバスドラの音や低音がきれいに壮大になるように意識してサウンドを作りましたね。

冬実:スタジオもすごくいいドラムが録れるところだったよね。でも、渡辺君って見た目もそうなんだけど、ものすごくプリミティヴな音を出せる人だと思っていて。打楽器って特に、楽器を扱う人のパーソナルな部分がものすごく伝わると思うんです。それで言うと、渡辺君は原始人みたいな人間の根源的な部分で音を出せる人だと思っていて。だから心臓みたいな音だなって思うときは、「GIRL'S SECRET」以外にもあるんです。

宮田:うん、骨で叩いているみたいな。

冬実:そうそう、骨でね。

渡辺:(笑)

宮田:"はじめ人間"的な。

冬実:"ギャートルズ"的な感じはしますね。

一同:(笑)

-改めて、『私を動かしてるもの』をどんな作品だと感じていますか?

宮田:前作も今作も、バンドとしていろんな挑戦をして、得たものもたくさんあるので、ツアーでこの曲たちがどういうふうに演奏されるのか楽しみにしてほしいですし、今もさらに新曲を作っているので。これを経てどういうサウンドになっていくのかも楽しみにしてほしいですね。

冬実:これを作ったのが結構前になっちゃうくらい、新しい曲がバンバンできていて、今すごくバンドが前のめりです。

-現在ツアー中で、7月15日(金)渋谷CHELSEA HOTELのツアー・ファイナル・ワンマンまで続きますが、見どころを教えてください。

冬実:このミニ・アルバムの5人の女の子が存在するようなバラエティに富んだ曲を、どういうふうに女っぽく魅せてくるのか楽しみにしていてください(笑)!

宮田:とにかくライヴが今、めちゃくちゃ楽しくて。前作のツアーを1月に終えたんですけど、そこからまたバンドのモードとしては"ライヴが楽しい"というのがどんどん強くなってきているし、今ライヴにはすごく自信があるのでぜひ期待していてほしいです。肉体的な音のスリルも歌詞やサウンドの面白さも今はどんどんレベルが上がってきてると思うので、そこらへんを楽しみにしてほしいです。