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INTERVIEW

Japanese

アンテナ

2016年02月号掲載

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Member:渡辺 諒(Vo/Gt) 池田 晃一(Gt) なかむら よしひさ(Ba) 本田 尚史(Dr)

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

-そういえば東京のMCでもケンカしていたということは話していましたね。その理由がこれだったとは(笑)。

池田:また同じようなミスをしたら本当にぶん殴ってそのまま実家帰ろうかと思ってたんですけどね、東京のときはしっかりと......。

なかむら:てか、これインタビューに載るんですよね(笑)?

-大丈夫ですか(笑)?

なかむら:まあ自分への戒めということで、Skream!見るたびに落ち込むことにします(笑)。

-わかりました、ではそのまま使わせていただきます(笑)。東京のワンマンは私も観させていただいたのですが、会場の空気があたたかくていいなと思いました。ちゃんと東京もホームにできてる感じがありましたよね。

渡辺:東京にも足繁く通った結果お客さんもちゃんと増えてきてくれて、あたたかい雰囲気の中でやれたというのは大きかったですね。

なかむら:下北沢SHELTERは東京に行き始めた当時からお世話になっていたハコだったから、そこで初めてワンマンができたっていうのは感慨深いものがあったよね。

池田:そうだね。

渡辺:仙台以外のところでホームを作れるっていうのはちゃんと刺激になりました。"もっとこうしていきたい"っていういい循環がちゃんとできるキッカケにもなったし、やってよかったなあと。

-今回のツアーでは仙台、大阪、東京でワンマンがあるそうですが、前回同様、仙台がツアー・ファイナルではないですよね。

渡辺:仙台に育ててもらったからツアーには絶対入れてるんですけど、仙台には留まりたくないとも思ってるので。仙台にはサンプラザホールっていう2,000人近くお客さんが入る会場があるんですけど、ツアー・ファイナルはそれぐらいの規模のところでできるようになってからやりたいですね。今は仙台に"これから行ってきます"っていう挨拶をしてる感じで、まだ"帰ってきました"には早いと思ってるので。

-なるほど。ライヴの広がり方も含めて、傍から見ていても着実にバンドが階段を1段ずつ上っていってる印象を受けるんですけど、実際みなさんの実感としてはいかがですか?

渡辺:そういう実感はやっぱりありますね。事務所にもレーベルにも所属してなくて全部セルフでやってるんですけど、アンテナに関わってくれる人、裏方さんもお客さんも増えてきてるっていうのを見ると、やっぱりひとつひとつやってきたことは無駄じゃなかったし、いいものはいいって認めてもらえるんだと自分たちでも感じることができてますね。

なかむら:僕は出身が関西なんですけど、音楽をやってない時期の知り合いとかも(ライヴを)観に来てくれたりしてて。あと、関西に関しては"MINAMI WHEEL"での反響で特に強く実感しますね。初出演した年は僕らのことを全然知らない人たちばっかりだったんですけど、3年目になった一昨年の"MINAMI WHEEL"の期間は大阪の街を歩いてると"アンテナの方ですよね?"って声をかけられたりもするんです。着実に広まってるし、ライヴの反応もいいなって思って。それもあって大阪ワンマンをやろうって決めたところもあると思うんですけど......どうでしょう?

渡辺:セルフで全部やってる代わりに動員とか反応の良さとかも全部自分たちに返ってくるので、その反応を見ても大阪は今やっといた方が絶対にいいと思いました。

-ツアー楽しみにしております。それでは、今回のミニ・アルバム『底なしの愛』についての話に移ります。様々な"愛"をコンセプトにした内容とのことですが、なぜこのタイミングで"愛"というテーマを扱おうと思ったのでしょうか?

渡辺:歌詞を書いていく中で俺が思う人間の本質のすべてを汲みとったうえでの"愛"を伝えたかったというのがありますね。アンテナは"歌モノで正統派で爽やか"っていう印象を持たれるんですけど、俺自身はすごくひねくれてる人間だし、"思ってることはちゃんと言わないと届かない"って『バースデー』(2015年リリースの2ndミニ・アルバム)のときから感じていて。"愛"というテーマではあるんですけど、それも結局通過点で、もっと人間のドロドロした部分を描いているというか......。

-イメージで言うと、まずひとつ"愛"という大きなものがあって、その下の階層には様々な種類の感情があって、その感情の部分を歌っている、っていう感じですかね?

渡辺:そうですね。

-人間のドロドロした感情を象徴するひとつの単語として"愛"がある、と。

渡辺:そうです。だから1曲ごとにテーマを変えてて。

-人間臭さを出すっていうことは自分の内側まで踏み込んで音楽を作らないといけないっていうことですよね。

渡辺:でも、歌詞を書いて伝える側としては"それ以外に何があるの?"っていう。嘘ついて、綺麗事を語って"明日も頑張ろう"って言っても届かないと思ってるので。俺がもしもミュージシャンじゃなかったら――それはそれでもしかしたら小説として出してたかもしれないけど、人間のドロドロした部分を描くことに関しては嫌だと思ってやってないし、むしろもっとエグいところまで書いてもいいと思ってるんです。