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INTERVIEW

Japanese

アンテナ

2016年02月号掲載

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Member:渡辺 諒(Vo/Gt) 池田 晃一(Gt) なかむら よしひさ(Ba) 本田 尚史(Dr)

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

-その"何でやってるんだろう"という気持ちは、どうやって変わっていきました?

渡辺:自分の中でガラッと何かが変わったという感じではなくて、ひとつひとつライヴをしていって、お客さんや関係者の人とふれあっていく中で、気づいたら自然と変わっていっていました。そういう、人からもらう影響の方が自分の中では大きかったですね。

-他の方は、いつごろから"これからも音楽をずっと続けていこう"と思うようになりましたか?

池田:俺、ギター始めて1年ぐらい経ったときに親父に"俺、音楽で食ってく!"って言ったら"お前バカじゃねえか!"ってぶん殴れたことがあって(笑)。

一同:はははは!

池田:家では言わなかったけど、どこかでずっとバンドへの憧れがあって。それで、こういうアンテナっていうチャンスに恵まれて。当時自分が憧れてたバンドができるんじゃないか、もっとすごいものができるんじゃないかっていう想いが......あった............かな?

なかむら:最後ハテナかよ(笑)。

池田:昔ライヴハウスで照明をやってたんですけど、そこでいろいろなバンドを観てたら、このバンドとしてやれることを突き詰めていけばもっとすごい景色が見られるんじゃないかと思ったし、見られる気がしたんですよね。

なかむら:僕は高校のときに先輩が"ドラムで食べていく"って言ってたときも"いやいやいや、無理でしょ"って正直思ってたんですよ。その人、上手かったんですけどね。でもアンテナを始めるようになって、一緒にやっていく友達や知り合いが大きなステージに出ていっていろいろな人に影響を与えていくのを見て、そういうチャンスが案外近くにあるんだなって思って。でも、たぶんこのバンドでしかそういうチャンスを掴めないなと思って今に至ります。

本田:僕も楽器を始めたときはもちろんそういうことは考えてなかったんですけど、続けていくうちに将来やりたいことが他にないなあって思って。でもやっぱり音楽が好きだったんで、何となく音楽関係で働けたらなあとは思ってたんですけど。それはバンドを組んだときもそんなに変わらず。アンテナに入ってからも"ずっとこのバンドでやっていこう"と思ったキッカケがあったわけではなくて、続けていくうちにそう思うようになっていきましたね。

-アンテナとしては2011年にタワレコ限定ミニ・アルバム『さよならの代わり』をリリースしました。その次のリリースとなるミニ・アルバム『バースデー』までは3年近く期間が空いていますが、その時期はライヴを中心に活動していたのでしょうか?

渡辺:そうですね。まだ学生だったので頻繁に県外にも出られなかったということもあって、仙台を中心にライヴ活動だけをやってました。

-3年の間には焦りやもどかしさはありました?

渡辺:ありましたね。"何なんだろう、この時間は"って思ってました。でも"他のバンドに負けないように"とか"絶対音楽で食って行こう"っていう意識的な部分が他のバンドに比べて弱かったと思うし、なるべくしてそういう期間になったんだということにすら気づけていなかったので、今思えば自業自得だなと思います。

-その時期の最中には何がいけないのか気づけていなかったと。

渡辺:当時はみんな学生だったんですけど、ひたすら受け身だったっていうことがあって。"何で音源が出せないんだろう?"じゃなくて"出したいからどうにかしてくれ"って行動できなかったのが自分たちの甘さだったと思います。当時はすべてにおいて視野が狭かったですね。

-それから数年後、昨年5月に自主レーベルから『バースデー』をリリースしたことはバンドにとって新たな挑戦だったかと思います。なぜこの時期に全国流通に踏み切ったのでしょうか?

渡辺:前作(『さよならの代わり』)を出してから3年が経っているというのと、もうひとつ、仙台だけではなくいろいろなところに向けて発信したいっていう気持ちが強くなっていたという理由もありましたね。3年間でため込んだモヤモヤも『バースデー』を発売することで放出させようと。もう一度ここからリスタートしましょうという意味も込めて出したものでした。

-『バースデー』リリース後に回ったツアーでは仙台と下北沢でワンマンを開催していますね。

渡辺:仙台は2回目で......『さよならの代わり』を出した1ヵ月後に初ワンマンをやって以来だったので、3年ぶりのワンマン・ライヴでしたね。

-では結構期間は空いてたんですね。いかがでした?

渡辺:仙台は荒れたよね(笑)。

-え!?

渡辺:もう、こいつ(なかむら)がミスをして! その仙台ワンマンが5月だったんですけど、6月の東京ワンマンまで池田さんがほとんど口をきかなくて。

なかむら:僕は話しかけてたんですよ? 一方的には。

池田:"もう空気読めよ! おめえと喋りたくねえんだ!"と思ってました(笑)。

本田:たしかにアレはもうすごかった(笑)。

なかむら:そんなに腹立てることないのに......でも1週間後ぐらいに謝りました。

池田:え? そんなに怒ることないのにって思ってたんだ......?

なかむら:いやいやいや(焦りながら)。それで、(池田とは)東京ワンマンのMC中にその一件後、初めて会話を交わしたっていう。