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INTERVIEW

Japanese

セプテンバーミー

2015年11月号掲載

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Member:土肥 大人(Vo/Gt) ココナッツ先輩(Ba/Cho) 岸波 藍(Dr/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

-「僕らのイノセンス」は顕著ですが、セプテンバーミーの作る世界は、すごくドラマチックで夢に溢れているけれど、理想郷に逃避するというよりは、現実で戦うためにその夢の世界を現実に持ってくるようなパワーがあるなと。

岸波:ああ、自分たちで言うのも変なんですけど、それはすごくわかります。歌詞カードも全部私が曲を聴きながら作ってるんです。現実的というよりは夢というか、空想のイメージがすごく強くて。歌詞に出てくる言葉をそのまま書くと、全部のページがファンタジーみたいに仕上がって。だからドラマチックというのはしっくりきます。

土肥:......この現実で戦っていこう、というのは今自分がめっちゃ思ってたことだったんですよ。それが伝わってるなら、すげえ嬉しいです。

-そしてTrack.2「幽霊ダイブ」、速めの四つ打ち曲ですがセプテンバーミーの過去のそれとは違う方向性で、かなりのキラー・チューンだと思います。イントロはギターが弾いてたフレーズに、途中から鍵盤が重なってくる感じは新鮮で。

土肥:あんまりないですよね。最初は全部ギターで弾いてたんですけど、なんかパンチ足りねえなと思ってて。でもMVで"ゲームの中に入る"という設定を考えていたので、8bit感、ゲームのピコピコ感を出したくて。こういう音を入れたいっすー......ということでこうなりました。

-これは結ばれない恋を歌っているんですよね。

土肥:そうですね、幽霊に恋をしてしまう。僕は本当にオカルトが大好きなので、アー写もそれに合わせてて、オカルト研究部員みたいな設定なんです。

-今回は好きな人や恋人、友達のような、近い存在の人のことを歌ったものが多いですよね。そういうところは土肥さんの別れの経験とリンクするのかもしれない。

土肥:もともと、俺は前身バンドのときとかに抽象的な表現が多くて。でも前作で歌詞の大事さを学んで。その大事さというのは伝わりやすさもあるし、光景が浮かぶこととか......いろんな大事なことが歌詞に詰まってるんだなと思ったんです。"(楽曲で)1番大事なのは歌詞なんじゃないか?"と思うようになって、さっき言ったような伝わりやすかったり光景が浮かんだりする歌詞が書きたいなと思ってちゃんと向き合うようになって、自然とそういう近い存在に照準が合ったのかも。

-『YES!YES!YES!』に収録されている「妖怪ダンス」も、抽象的といえば抽象的でしたよね。だからそれを考えるとTrack.3「ロックスターに憧れて」なんて、ものすごくストレートで。

土肥:この曲は素直すぎて恥ずかしいですよ(笑)。「妖怪ダンス」のときは歌詞は二の次......と言ったらアレなんですけど。自分の言いたいことは言うけど、まだ抽象的でしたね。「ロックスターに憧れて」とかは本当のことを書きすぎて、1年後とかかなり恥ずかしいんじゃないかな......(笑)。

ナッツ:歌詞といい曲調といい"あいのり"(※フジテレビ系恋愛バラエティ番組)とかで流れてそうだよね。ひとり懐かしがってました。

岸波:たしかに(笑)! イントロとか"あいのり"で流れてそうだよね。

-ははは。これは47都道府県ツアーで感じた気持ちを書いた曲なんですよね。

土肥:そうですね、まさに。ツアー・ソングというか、いろんな土地に行って感じた気持ちをそのまま書いています。メンバーふたりへの手紙っていう意味もあったり、今までのお客さんへの気持ちでもありますね。わりとバンドがツアーで訪れる場所は、どのバンドのツアーでもちゃんとスケジュールには結構入ってるじゃないですか。でもそこに入ってない県に行くと"待ってました!!"という情熱が本当にすごいんですよ。

-へえ、待っててくれる人がいるなんて、本当に嬉しいですね。

岸波:ほんとですよね。行ったことがない県にも、観てくれる人がこんなにいるんだ!と思って。本当に涙が出ちゃうくらい。

土肥:俺も本当に、ライヴをしてて泣きそうになる瞬間もあるくらい。大きなCDショップがないのにどこで俺らのことを知るんだろう?という感動もあったり......。ライヴ中にお客さんから"来てくれてありがとう!"と言われることもあって、喜びと驚きで"えっ!? ええーっ!?"って感じで。だから今回はすごく、ツアーに来てくれたお客さんにすごく刺激をもらったので、ちゃんと曲で返そうと思ったんですよね。