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INTERVIEW

Overseas

FIDLAR

2015年10月号掲載

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Member:Zac Carper(Gt/Vo)

-やはり、"素面でいる自分"というのはアルバムの大きなテーマなのでしょうか?

そうだね。素面というより、なぜ自分はあんなにメチャクチャだったんだろうっていうのがテーマかな(笑)。薬をやめてから鬱っぽくもなったし、不安も襲ってきた。そういったものを背負いながらどう生きていくかっていうのもテーマのひとつ。だからといって、そこまで暗すぎるわけでもない。俺は面白い人間でもあるからね。俺はユーモアが好きだし、笑うことも好きだし。だから曲を書くときは、悲しい内容の歌詞だったとしても、まずは自分をハッピーにするためによりハッピーなサウンドを作ろうとするんだ。

-歌詞の内容に関わらず、アルバム全体を通してとてもポップでキャッチーなアルバムとなりましたね。それは意図的なものかと聞こうと思ったのですが、ポップでキャッチーになるのはそういう意識があるから?

そうだね。俺は自分のやり方でそういういった悲しい内容の歌詞を表現しようとしてる。ポップでキャッチーなサウンドだと、自分の気分が良くなるんだ。自分を笑顔にしてくれる。特別意識をしているわけではないんだけど、俺はハワイで育ったから、そういうポップでキャッチーな音楽にしかアクセスできなかったから、自然にそうなるんだと思う。おふくろの性格が超日本人的だし、当時は日本のテレビ番組ばっかり見てたしね(笑)。"ドラえもん"とか"クレヨンしんちゃん"とかが大好きだった(笑)日本のアニメやドラマから流れてくる音楽、つまりJ-POPってすごくキャッチーだよな。キャッチーすぎるくらいさ。本当に頭から離れない。それが自分の一部になってるんだと思う。この前も母親と話してたんだ。小さいとき、俺は"ドラえもん"をずっと観てたって(笑)。その曲をカセットに録音して、何度も何度も聴いていたらしい。姉は"ちびまる子"ちゃんにハマってたよ(笑)

-どのようなシチュエーションのときに音楽を作りたくなりますか? 作曲の際に何か特別にすることなどありますか?

こんな質問されたのは初めてだけど、面白い質問だな。多分......自分ひとりでいるとき。それか、静かなところにいるときかな。面白いことに、都会にいるときは都会っぽくなったり、環境によってサウンドって変わるんだ。自分の状態次第だな。曲作りって俺にとってはセラピーみたいなものなんだ。悲しいときに限らず、何か思うことがあるときに曲を書くことが多いと思う。例えば、彼女が"何でそんなにわからずやなの!?"って怒鳴ってきて、やるせなくなったときなんかも"よし、曲を書こう"って思うし。1度書き始めると止まらないんだ。気づいたら8時間経ってるとかはしょっちゅう。俺にとっての瞑想みたいなものだね。俺って音楽以外に趣味がないから、曲作りしか気分転換の方法がないんだ(笑)。

-ガレージ・パンクとカテゴライズされることが多いと思いますが、今作はその範囲に捉われない楽曲もありました。パンクというジャンルについてどう感じますか?

もうジャンルってあんまり気にしてないから俺にはわからないけど、パンクって音楽のジャンルというよりは姿勢だと思う。ヒップホップにもパンクな曲があるしさ。俺自身は、サウンド的にパンクと呼ばれるものを作ることを意識しているわけじゃない。1stアルバムのときは、当時の自分たちが速い曲をたくさん聴いていたからたまたまそうなったんだ。やっぱり、パンクって自分がやりたいことを何でもやるっていう態度や姿勢だと思うね。サウンドでも、ファッションでもない。やりたいことをやっている人たちすべてがパンクなんじゃないかな。大学に行って自分が就きたい職につくことができているなら、それだってパンクなんじゃない? その精神が大切なんだと思う。EDMのアーティストの中には、レーベルや他の人間に頼らず、自分とラップトップだけで好きな音楽を次々と生み出している人たちもいる。俺は、彼らも超パンクだと思うね。

-80~90年代ミュージック・ビデオのパロディで話題になったTrack.1「40oz. On Repeat」のアイディアはみんなで考え合ったのですか?

俺と義理の兄がソファに座ってビデオのアイディアを考えているときに思いついたんだ。90年代の音楽業界が当時ミュージック・ビデオを作るのにどれだけの費用を使っていたかについての話しから始まって、俺たちでそのパロディを作ろうって話になった(笑)。当時はあれだけ金があったのに、今はまったくといっていいほど予算がない。そのビデオを、段ボールみたいな安いものを使って再現しようってことになったんだ(笑)。ユーモアを入れながらね。

-その中で1番楽しかった、もしくはできて嬉しかったパロディはどれですか?

GREEN DAYのビデオ。俺がギターを弾き始めたころに弾けるようになった曲だったから。あれは楽しかったな。

-難しかったのは?

JAMIROQUAI。あの空間を作って、俺が動くのと同時に周りも動かさないといけなかったのがめちゃくちゃ難しかったんだ。

-最後にバンドとして来日したのは2013年ですね、近々また日本に来てくれますか?

まだいつかは決まってないけど、日本にはまた行くよ! 楽しみにしてる!