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INTERVIEW

Japanese

Tequeolo Caliqueolo

2015年09月号掲載

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Member:扇谷 真澄(Vo/Syn)

Interviewer:沖 さやこ

2013年にKEYTALK、QOOLAND、KANA-BOONのトリプル・レコ発のOA、the band apartの"聖地じゅんれい!"のOAに抜擢されるなど、知名度を全国区にしたTequeolo Caliqueoloが、そこから約2年の年月を経て初の全国流通盤をリリースする。その名も『S.O.S』。精力的なライヴ活動で培った5曲の楽曲を持って堂々と"僕らこそが王道だ!"と言い放つ。そのパワー、とても頼もしく清々しい。フロントマンの扇谷真澄のメール・インタビューの回答からも、強いポリシーと高い意識を感じることができる。彼らは時代の王道に成り得るのか――?

-2009年5月に地元・京都にて結成だそうですが、どういう流れで集まったメンバーなのでしょうか?

メンバーは全員、僕の中学高校の先輩、同級生です。僕は高校生のころ複数のバンドをやっていたのですが卒業後、その中で人間としてもプレイヤーとしてもクセのある面白いと思ったメンバーをひとつに集めたのがTequeolo Caliqueoloとしての始まりです。

-そのときから音楽性は定まっていたのでしょうか? "極彩色で踊るオルタナティヴ"が楽曲のテーマになっていったのはどういった流れなのでしょうか。

結成当初は音楽性が決まっておらず、メンバー各々の好きな音楽も違うのでまとまりがありませんでしたが、自分たちがアガるようセッションを繰り返すうちに今の音楽性になっていきました。メンバーのバックグラウンドがまったく違っていたので、どうやっても異質で、まさにオルタナティヴだなと思いました。ふたりのリード・ギタリストのタイプも違っているので、自然と極彩色なサウンドになるのが僕たちの持ち味だと思っています。

-"UKロックをあらゆる視点から色とりどりに昇華させたギター・ロック"とは具体的にどういう意味でしょうか。

音楽の趣味嗜好が異なる5人の唯一共通の好みであるUKロックをそれぞれの解釈でインプットし、自分たちの音楽としてアウトプットするという意味です。5人の感性が違っていることによって、どこにもない色とりどりな新しいロック・ミュージックが作れると思っているので、スタジオでのセッションを大切に曲作りをしています。

-具体的にどんなバンドがルーツにあるのでしょうか。

メンバー全員が好きなのはARCTIC MONKEYSやBLOC PARTY、FOALSなどの2000年代のポスト・パンク・リバイバルやロックンロール・リバイバルのバンドです。あとUKロックではありませんが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやELLEGARDENも好きです。個人的に国内ではQomolangma Tomato、ストレイテナー、海外ではPANIC! AT THE DISCOやPARAMOREなどのエモ・バンドにも影響を受けています。

-プロフィール欄にあった"架空のスリリングより本物のエキサイト"という言葉が印象的でした。これは具体的にどういう意味でしょうか。

ライヴ・バンドというものにずっと憧れて来て、自分たちもそうありたいと思うからこその言葉です。僕たちが言う"架空のスリリング"は台本のあるような流れのライヴのことで、悪い意味で"安定感のある盛り上がり"という意味です。一方"本物のエキサイト"は、そのままの意味で身体が打ち震えるような瞬間を表しています。僕がライヴを観ている際に"この曲は知っているからノれる""これは知らないからノれない"というオーディエンスの空気感を感じます。そういった空気を自分たちの全身全霊のライヴで打ち壊して、曲やバンドを知っている知らない関係なしに"なんだこれカッコよすぎだろ!"と思わせられるような、本物の興奮を与える存在でありたいという想いを込めて言っています。ライヴ・バンドとして高みを目指していくうえで、まだまだ実現しているとは言えません。常に熱狂を追い求めていく姿勢を示していきたいです。

-2013年にKEYTALK、QOOLAND、KANA-BOONのトリプル・レコ発のOA、the band apartの"聖地じゅんれい!"のOAに抜擢されるなど、ここで知名度を全国区にしたと思います。当時のことを教えていただけますか。

KEYTALK、QOOLAND、KANA-BOONのトリプル・レコ発のOAは、ブッキング担当の方がOAを探していて、縁あって僕たちのライヴを観てもらった際にその場でオファーをいただきました。"聖地じゅんれい!"のOAは数ある応募の中から選んでいただきました。それまでの活動では同世代のバンドの中から頭ひとつ抜けることに苦しんでいましたし、誰かに自分たちの音楽を後押ししてもらえた経験もなかったので、自信になりましたしバンドにとっても勢いを生む起爆剤になりました。それからはたくさんの人たちに知っていただける機会を活かすため、活動範囲を拡大し、ライヴの連続で足腰を鍛え、自信をつけていきました。

-満を持しての全国リリースですが、なぜこのタイミングに?

Track.1「S.O.S」という楽曲ができたことが大きな理由です。この曲ならシーンの最前線へ打って出られるという確信を得られたことがとても大きいです。この5曲はライヴで自分たちとともに成長してきた5曲です。僕たちを知らない人たちにも、これがTequeolo Caliqueoloだ!とアピールできるよう、それぞれ違うカラーの曲を選びました。アレンジは特に変えていませんが、よりライヴを連想してもらうために曲をクロスフェードさせるなど曲間に工夫を施しています。

-相手に対してコミュニケーションを求めている曲が多いという印象がありました。特に「S.O.S」はそれで、音も人をまっすぐ突き刺すアプローチだと思いましたし、歌詞もひたすら相手に訴えていると思いました。

繋がりたいという欲求は強いかもしれません。「S.O.S」は日常の些細な諍いや行き違いで千切れてしまう繋がりを離さないでいたいなという想いで作りました。あとはこの曲の作詞をしていた当時、精神的にかなり参っていたので、誰かに手を差し伸べられたかったのか、自然と"S.O.S"という言葉が浮かんできました。