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INTERVIEW

Japanese

ドラマチックアラスカ

2015年03月号掲載

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Member:ヒジカタ ナオト(Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ

-楽曲に対するメンバーさんの反応は?

僕はデモが作れないので、僕の曲の場合はスタジオで"こういう曲作ってん"と弾き語りを聴かせてみんなで作っていくんで、パッと反応をもらうことはほとんどないんです。基本的には各々のパートに任せていくんですけど、ビートが違うと感じたら言うし、ベースが動かれたら嫌なところは"そこはルートにしてください"と頼んだり......でもそれくらいですね。

-それはやはり歌を大事にするためですか?

ああ、そうですね。ヴォーカルを前に出したいというのは全員思っていることなので、そこは絶対に消えないように。僕らは高校の馴染みでスタートしてるんで、それぞれの楽器持ちたてのころを知ってるので、そういう考え方も全部自然に混ざり合うようになっていて。今年でバンドを組んで5年目くらいなんですけど、それが自然にできるようになってきましたね。

-Track.2「フレームアウト」は顕著ですけど、ドラマチックアラスカはいい意味で、各々のパートが自由に好き勝手にやってるなと思います(笑)。

それ他のライターさんにも言われました(笑)。

-でも「無理無理無理」は一体感があるなと。

やっぱりそれは衝動のもとにできた曲だからやと思います。そういう曲はほんと、すぐできるんですよ。リードになる曲はスタジオの1、2時間くらいとかで大枠ができちゃう。各々の出すものでほとんどが決まっちゃうんで、それぞれのプレイががっちり合ったときにできあがるのかもしれませんね。

-リードになるということは、メンバーさん自身はもちろん、スタッフさんも"いい"と思うからだと思うので、そういう曲が最もナチュラルに生まれるというのはバンドが健康体だからではないかと。

うん、僕もそれがバンドやと思いますしね。今回のシングルは入り口を広くできたと思っています。

-もともとドラマチックアラスカは高校の先輩と後輩で結成されたんですよね。

最初は文化祭に出るために組んだバンドで。普段は全然イケてなくて友達も全然いない人たちなのに(笑)、文化祭に出た1日だけは"お前そんなことできたんや""かっこよかったよ"と言われたのが嬉しくて。それでバンドを組んで、全員が大好きなthe pillowsのコピーをしたりしていて、そのうちに曲ができていって、ライヴハウスに出るようになって。

-すべてが文化祭の延長線上なんですね。

だからデビューが大変で。文化祭の延長でやっていたのに、音楽でお金がもらえるという状況に"自分の好きなことや趣味がお金になってていいのかな?"ってすごく不思議で、自分が好きなことをして、それに対してお金を払わせていることにも混乱して。僕らは楽しんで音楽をやっていただけやったから、売れたいとか、伝えたいことがあったわけでもなかったので難しくて。今はそれはなくなりましたけど、デビューしてから1年間は苦しかったです。

-ドラマチックアラスカはメロディももちろんですが、歌詞を大事にしているバンドだと思っていて。ヒジカタさんは歌詞を書いている人だと思うので、『オーロラを待っている』時にいしわたり淳治さんをプロデューサーに招いていたことも、端から見ていて腑に落ちました。だから「無理無理無理」は、衝動とは言ってもご自身で歌詞を磨いてらっしゃることが出ているなと思ったんです。

ありがとうございます。作文みたいな歌詞を書くバンドが最近多いなと僕も感じていて。でも歌詞は文学的なものがあってこそやし、それをどうやって(聴き手が)自分なりに受け止めるかというのが歌とか歌詞やと思うんで、その部分は大切にしたいと思っていて。いしわたりさんと一緒にやらしてもらって、『ビヨンド・ザ・ベーリング』でそれを突き詰めて......でも今回は衝動的な部分を取り戻したかったので、そういうことはあんまり考えなかったんです。むしろ僕は「無理無理無理」の歌詞はそんなに文学的じゃないと思っていて。恨みつらみを箇条書きにしたというか......これをいしわたりさんに見せたら怒られるんじゃないかなあと思ってるんですけど(笑)。