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INTERVIEW

Japanese

グッドモーニングアメリカ

2014年10月号掲載

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Member:金廣 真悟 (Vo/Gt)

Interviewer:荒金 良介

-なるほど。

「inトーキョーシティ」で始まって、「スクランブル交差点」で終わるアルバムの流れもいいなって。僕にとっては東京の物語だけど、聴いてくれる人がそれぞれの状況に当てはめてもらえたらいいですね。

-しかし、なぜ東京をモチーフにしようと思ったんですか?

たまたま自分の生活の中で作った曲が多かったからですかね?でもそんなに意識したわけじゃないというか、ただ全体的に東京で作った曲ばかりだなあと思って。

-金廣さんにとって、東京はどんな街なんですか?

う〜ん、今は生活する場所だったり、帰って来る場所だったり、結果的に1番落ち着ける場所になってますけど。もともとは東京の人間じゃないんですけどね。

-出身はどこなんですか?

九州です。まあ、転勤族なので、宮崎で生まれて、福岡にもいたんですけど。それから東京に来たときに、勝手に夢は叶うものだろうと思っていたけど、そんなに甘いものじゃなく。ちゃんと努力するというか、ちゃんとやればチャンスは転がっているし、誰かにピックアップしてもらえる場所なのかなって。現実と理想の狭間みたいな場所ですね。

-音楽で食べたいと思って、上京したんですか?

いや、親の仕事の関係で一緒に上京したんで、そういうわけじゃないです。たまたま東京にいて、バンドを始めた形だけど、そういう憧れはありましたね。で、バンドを組んでいた奴の親がスピッツの専属PAをやってて、そうすると、急に音楽業界を身近に感じるじゃないですか。なおさら自分が描いていた夢も叶うような気がして。最初はそういう感じでした。

-それから考えかたに変化が?

東京は煌びやかなものがたくさん転がってる分、そこに対する努力をちゃんとしなきゃいけないというか。努力してないと、いろんな誘惑が多いから、他のせいにしやすいんですよね。自分もそうだったと思います。ここ最近ですかね、少しずつやりたいことができるようなって、あの頃はダメだったなあと考えられるようになりました。大人になったのかな。

-何か振り返るようなタイミングだったんですかね?

曲を作るときは前を見ているし、まあ、後ろを振り返るときもありますけど。基本的は今を全力で楽しもうと思うタイプですからね。

-いや、今回振り返る系の歌詞も多いなあと思って。

「コールアップ」は特にそうですね。曲に合った歌詞を考えると、そうなったんですよ。それこそ「コールアップ」は、昔やっていたメロコアみたいなものをイメージしたんですよ。NOFX、STRUNG OUT、NO USE FOR A NAMEとか、あの懐かしい感じを全部やりたくなったんですよ。昔はそういうことをやるのは嫌だったけど、なぜかやりたいと思うようになって。あと、「夕暮れ」も曲に添った歌詞を意識しました。

-「夕暮れ」はカントリーのテイストもありますよね。

ああ、そういうふうにも聴こえるかもしれない。自分たちが聴いていた頃のエモコア、THE GET UP KIDS辺りをイメージしたんですよ。この曲は青春感が強いですね。だから、こういう歌詞になりました。2ビートの「STOP THE TIME」も青春感を意識してます。

-昔聴いていたパンクやエモを意識した理由は?

OVER ARM THROWやdustboxとやる機会も多くて。ああ、やっぱりいいなあと思ったんですよ。だから、自分でもイントロからアガれる曲を作りたいなと。

-ただ、作品全体からは狭いライヴハウスというより、より広く遠くに届くような雄大な楽曲が多いですね。金廣さんは作品ができあがったときは、自分でどんな感想を持ちました?

今回は自分でも聴いちゃうんですよね。俺はあまり自分の作品を聴かないタイプなんですよ。でも今回は聴いて、もう終わっちゃったと思える作品なので、それは今までにない感覚なんですよ。すごく詰め込んだつもりだけど、もう少し欲しいな、という感じも残せているから、そこは絶妙だなと(笑)。

-もう少し欲しい感覚というのは?

お腹いっぱいにさせないというか、まだあるぞ!みたいな雰囲気が残せてるから、そこがいいなと。あと、歌は上手に歌えましたね。その意味でも満足してるし、多くの人に聴いてほしいですね。

-アコギ1本でも成り立つくらい、メロディの強さが際立った曲ばかりです。

嬉しいっすね。まだアコギでやったことはないんですけど。「スクランブル交差点」は、フォークという位置付けで作った曲ですからね。