Japanese
Zaien Lily
2014年08月号掲載
Member:飛松 直美 (Vo/Key) 鈴木 健太 (Gt) 中村 光宏 (Dr) 原田 慶 (Ba)
Interviewer:天野 史彬
-音楽を鳴らす喜びが、この4人の切実な絆になってるんですね。凄く幸福な絆ですよね。だからこそ、このバンドで世の中と渡り合っていかなきゃいけない。
原田:そうですね。音楽がなかったら出会ってないと思うし。
-この4人の絆は、どういうところから始まってるんですか?
原田:僕と飛松と中村は前から同じバンドをやっていて。で、そのバンドが解散した後に、まだやりたいよねっていう話をして、とりあえず3人で新しく始めていくことにしたんです。そこでギターがほしいなって思って、鈴木を誘ったんです。こいつ(鈴木)は元々僕の専門学校の同級生で、4年ぶりに電話してみたら、"遊んでる"って言ってたから(笑)。 鈴木:飲み会ばっかりしてましたね(笑)。当時、僕も(バンドを)やりたいなって思ってたので、ちょうどよかったなって。
-原田さんと飛松さんと中村さんでやっていた前身バンドって、どういうものだったんですか?
原田:女ヴォーカルのポップ・バンドというか。今とはまたちょっと違う感じの、明るい元気な感じでしたね。
-そこからZaien Lilyになって、どうしてこういったエモーショナルな部分やダークな部分が出てくるようになったんですか?
飛松:前のバンドをやっていて、自分がやりたかったことと求められるものが全然違う感じになっていってしまって......。そこに私は段々と違和感を覚えるようになっていったんです。なので、"こういうバンドをやりたい"っていう思いを形にしたのがZaien Lilyなんです。 原田:言ってしまえば、(前のバンドは)お客さんが増えていく中で、ポップで、ちょっとアイドルっぽい要素も求められていった部分があったんですよね。もうひとり鍵盤で女の子のメンバーがいたっていうのもあるんですけど、女の子2人でキラキラした感じっていうのが、前のバンドにはあったんです。そっちに行きそうになったところで、これは違うなって感じになって。で、結局どういうものがやりたいんだ?っていうことをゼロから考え直した結果が、今のZaien Lilyっていう形なんです。-皆さんの中で、音楽をやるにはディープな感情表現のできるバンドであることが重要だったんですね。それはバンドを組む前にリスナーとして触れ合っていた時から、音楽に求めていた部分でもあったんでしょうか?
飛松:そうですね。最近はジャンル問わずいいなと思う音楽は聴くようにしてるんですけど、私が昔から好きなのはTHE YELLOW MONKEYとかGO!GO!7188とか、あとは鬼束ちひろや、中島みゆきも小さい頃から好きで。そういう感情的な音楽が昔から好きでしたね。前身バンドもそういうものになるだろうと思ってたんですけど、違うふうに転んじゃったので、1回リセットした感じですね。
-飛松さんは、最初に自分が歌を歌いたいと思った時から、感情の発露としての歌を歌いたいっていう気持ちが強かったんですか?
飛松:最初に歌を歌いたいと思ったのは――JUDY AND MARYも小さい頃から好きだったんですけど――YUKIちゃんをミュージックステーションで観た時に、"あっ、凄いな。私もバンドやってみたいな"って思ったんです。だから、小さい頃から歌いたいっていう気持ちがあって。で、高校の頃に友達がバンドで女ヴォーカルを探してて、"やってみない?"って誘ってくれて。最初はお遊びって感じでやってたんですけど、段々とその友達が"私もっと本気で音楽やってみたい"って思えるような環境を与えてくれて。その頃から、歌をしっかり歌いたいなっていう気持ちが芽生えたんです。それと同時に、自分でも曲を書きたいっていう気持ちも出てきて、それがきっかけで昔習ってたピアノも再開したりして。それで(曲を)書いていくうちに、私、普段はそんなに喋らないんですけど、本当はこんなに伝えたいことがあるんだなって気がついたんです。言いたいこともいっぱいあったんだなって。
-歌うこと自体の喜びが最初にあって、そこから曲を作り始めていく中で、自分の想いを音楽にして出していくことの喜びを感じていったんですね。そうやって出発した飛松さんと音楽との繋がりも、今作『蝿ト百合』を作り上げたことで変化した部分はありましたか?
飛松:やっぱり、殻から抜け出す前は音楽ができなくなる状況になってしまったりしたんですけど、抜け出してからは一直線に、1番大好きな音楽をできるようになって。だから、(自分と音楽の)繋がりは深くなったかなって思います。もうこれ(音楽)しかないっていう決意をして、その後にできた曲ばかりがこのアルバムには入ってるから......だから、もし自分と似たような感情を持ってる人がいれば、その人の背中を押してあげることができたらいいなって思いますね。"何があっても、まだ大丈夫だよ"っていうメッセージが原動力になって書けた曲が多いから。
-自分たちが本当にやりたい音楽としてZaien Lilyを始めて、そして今『蝿ト百合』という形で、たとえ確かな未来は見えなくとも音楽と共に歩んでいく覚悟を決めて、そして将来、この道のりの先に辿り着いた場所で、Zaien Lilyはどんな音楽を鳴らしていたいと思いますか?
4人:う~ん............(熟考)。 中村:............まぁ、あまり器用なバンドじゃないので、その先のことまでは考えてないんですよね(笑)。とにかく、"今、駆け抜ける"っていう。
LIVE INFO
- 2025.01.19
- 2025.01.20
- 2025.01.21
- 2025.01.22
- 2025.01.23
- 2025.01.24
- 2025.01.25
- 2025.01.26
- 2025.01.27
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ASP
Skream! 2024年09月号