Japanese
2014年08月号掲載
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喜びの歌も悲しみの歌も巷に溢れている。でも、そのほとんどがどうでもいい。だって俺には関係ないから。ハリボテの感情表現に共感なんてするか。今、俺が抱える喜びと悲しみは俺だけのものだ。誰にも渡すか。だから俺はZaien Lilyを聴く。窒息しそうなほどの嘘と苦悩と混沌に満ちたこの現実を、たとえ未来なんか見えなくても突き進んで、その先に自分の手で掴みとるもの、それこそが感情だ。Zaien Lilyはそれを鳴らしている。だから聴く。2011年に結成。渋谷La.mamaを中心としたライヴハウスや各地の路上を舞台に、"伝えること"に対する貪欲な嗅覚を尖らせてきた、その粗暴さと繊細さを同居させたサウンドは、聴き手の生傷だらけの魂を白日の下に曝け出す。2014年、最も純潔な感情表現としてのロック。聴け。(天野 史彬)