Overseas
NINE BLACK ALPS
2014年05月号掲載
Member:Sam Forrest (Vo/Gt)
Interviewer:上野 功平
ゼロ年代初頭に登場したUKロック・バンドの中でも、NIRVANA譲りのラウドなギター・サウンドと、Elliott Smithからの影響を感じさせる美メロで突出した存在感を放っていたマンチェスター出身の4人組NINE BLACK ALPS。メンバー各々の盛んなソロ活動やサイド・ワークを経て、新ベーシストのKarl Astburyとゼロから作り上げた最新5thアルバム『Candy For The Clowns』がここに完成した。前作『Sirens』に引き続きセルフ・プロデュースとなる本作は、近年のグランジ再評価の決定打となる快作だ。フロントマンのSam Forrestに話を聞いた。
-最新アルバム『Candy For The Clowns』、素晴らしい作品です。けたたましく鳴り響くフィードバック・ノイズと、あなたのエモーショナルなシャウトには、どうしたってデビュー作『Everything Is』(2005年)のような初期のサウンドを思い出さずにいられなかったのですが、実際にバンド自身、"原点回帰"を試みた部分はあったのでしょうか?
とにかく本能の赴くまま、めちゃくちゃキャッチーなメロディを作ってみて、どの曲も最高なものになるってことを確かめたかったんだ。1stアルバムでも、もちろんそれ以降の作品でも同じことは言えるんだけどね。今回は特にヴォーカル面をあえてコントロールせず、ちょっと"Nasty(=意地の悪い、やっかい者)"な奴になってみたんだよ。まあ、僕はいつだって純粋に究極のロック・ソングを書こうとトライしているし、今は何もかもが混乱した世の中だからね。
-とはいえ、『Love/Hate』(2007年)のスウィートネスも『Locked Out from the Inside』(2009年)のヘヴィネスも、そして『Sirens』(2012年)のポップネスも、すべてを兼ね備えた理想的なアルバムだと思っています。制作プロセスにおいて、何かしら新しい楽器・機材、アイディアの導入はありましたか?
このアルバムはKarlとバンドが初めてゼロから一緒に作ったアルバムだから、新たなパッションがあったと思う。それに「Novokaine」のデモを録った時、"これは僕らがレコーディングしてきた曲の中で、もっともフェイバリットなものの1つだ"と確信したから、新鮮なエネルギーに満ち溢れていたのと同時に、どこかオプティミスティック(楽観的)にもなれたんだよね。使った機材は基本的にこれまでのレコードと同じだよ。大量に集めたギターやアンプの山の中から、ベストなものを選択しただけさ。
-Karlの意見やアイディアがよりダイレクトに反映されているのではないかと思うのですが、具体的にどんな部分で彼はサウンドに貢献してくれましたか?
僕らってあまりにもメンバー間の自己主張が強いバンドだから、Karlはそれをうまいこと収めてくれるんだよ(笑)。誰もが持ち合わせているものじゃないし、素晴らしいよね。あと、彼はクールな笑顔の持ち主だってことも忘れないで!
-前作では"ファストで、RAWで、シングル・コレクションのようなレコードを目指した"と語っていました。では、『Candy For The Clowns』におけるテーマは何だったのでしょうか?
『Sirens』はベーシックに立ち返ったアルバムだったけど、今作はすべての楽曲で内臓にパンチを喰らわせるような......様々なムードやトーンが混在する特別なものを作りたかったんだ。歌詞はスウィートネス、腐敗、搾取とかについてのことが多くなっていて、無意識のうちに人形やピエロ(道化師=Clown)、そしてキャンディーといったテーマが浮き彫りになってきたとも言えるな。
-人形を使った新作のアートワークは、ちょっと不気味でグロテスクな印象もあります。アートワークはバンド自身が手がけたそうですが、このコンセプトは誰の発案だったんでしょうか?「Novokaine」のビデオではJames Galley(Dr)が仮面とピンクのウィッグを被ってドラムをプレイしていましたね(笑)。
写真はDavid Jones(Gt)がプラハでの休暇中に撮影したんだ。少しばかり不吉なアルバム・タイトルとぴったりフィットする写真だと思ったし、人形が子どもっぽいおもちゃであることを暗示するだけでなく、それらがわずかに壊れていたり、あるいは破壊されているという事実は、歌詞とも完璧にリンクする。ちなみにあのビデオだけど、撮影当日にJamesが病気で参加できなかったんだよね。だから代役を変装させる必要があったんだよ(笑)。
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