Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

INTERVIEW

Japanese

GHEEE

2014年05月号掲載

いいね!

Member:近藤 智洋 (Vo/Gt) 深沼 元昭 (Vo/Gt)

Interviewer:吉羽 さおり

元PEALOUTの近藤智洋、PLAGUES/Mellowheadの深沼元昭というふたりのソングライターと、Hisayo(tokyo pinsalocks/a flood of circle)、YANA(ZEPPET STORE/NACANO)という強靭なビートを生み出すリズム隊。共に90年代より、それぞれの形でロックのロマンティシズムを追い求めてきた4人により結成されたGHEEEが、4thアルバム『QUAD』をリリースする。キャリアを重ねた4人が部活的に始めたバンドだが、ユルいお遊び感は皆無。4作目を数えた今作も、スピードに身を委ね、ヒリヒリとしたスリルを味わい、己の渇きや衝動が呼び醒ます爆発的で、マジカルな瞬間に全力で飛び込んでいる姿は、爽快だ。

-ライヴは定期的に、精力的に行なっていますが、アルバムのリリースは3年ぶりですね。作品へはどのように向かっていったんですか。

深沼:これはもう逆算でしたね。みんなそれぞれバンドがいろいろあって、とくに今回はベースのHisayoちゃんがa flood of circleでかなり忙しかったので。全員のスケジュールをいろいろ考えると、5月にツアーをやるしかないということがまずあったんですよね。で、ライヴでやってきた新曲が8曲かな、あったんですけど。

近藤:今年リリースをしたいねっていうのは漠然とあったんですけど、とりあえず、ツアーできるスケジュールを合わせようかって言ったら5月しかなくて(笑)。じゃあ、もうそこでアルバムを出そうっていう。

深沼:5月にリリースするには、今から曲作って、2月には録ってという話になって。そこからドタバタとはじまって。

近藤:なんですけど、じつは2月は結局1日もスケジュールが合わず。ただ、締め切りはもう決まってるので。

深沼:どんどん時間が圧縮されていくという(笑)。

近藤:その負担が、深沼君にいくと(笑)。

深沼:最後の最後で、ミックスは3日でやらなきゃならないとか。2月にライヴが1本あった当日以外は1度も会わなかったので、今回ライヴではやってない新曲が4曲あるんですけど、それはレコーディングまで1度も合わせたことがないんですよ。レコーディングの日にみんなで初めて合わせて、数10分後には録るっていう。

-壮絶な(笑)。このバンドとしてはかつてないやり方だったんですか。

深沼:いつもレコーディング自体は早かったんですけどね。2日間スタジオに入って、1日6曲くらいのペースで録ってとか。ただ以前は、その後から歌詞を書いたり、ギターとかコーラス・ワークを考える時間があったり、お互いが歌うパートとかを決めたりする余裕があったんですよね。ここは、近藤さんいってくださいとか。今回はそういう時間がまったくなかったので。

近藤:録れるものはすべて録って、あとは振り返らずみたいな。だからある意味、新鮮というか、初々しいというか。1stアルバムを作ったくらいの勢いみたいのが必然的に生まれたという感じで。

-サウンド自体もかなりアグレッシヴでもありますしね。

深沼:そうだね。あとは、近藤さんもそうだし、俺もそうだけど、みんな長いキャリアがあるから。絶対になくならない客観性みたいのはあると思うし、僕なんかはプロデュース系の仕事をはじめてからも10何年経ってるから、そういった意味では最後の最後には結構いろんなことをケアしてしまうこともあるんですけど。今回はいい意味でそんな余裕すらなかったので(笑)。最後、音を渡す日の1日のところで争ってましたから。"もう1日くれ!""いやそれは間に合わない"とか(笑)。

-では、こうした取材で改めて振り返っているような状況ですね。

近藤:3月30日かな、全部終わって、深沼君が"終わりました"って12曲のファイルを送ってくれたんですけど。3枚目までは時間があったから、それまでに事前に聴いてとかができたんですけど、今回は完成したものを一気に、曲順通りに並べたものを聴いたので。普通のリスナー感覚で(笑)。あ、こうなったんだ、みたいな。これが4枚目のアルバムなんですけど、バンドがスタートしてから8年経っていて――。

深沼:もう8年って、さっき知ってびっくりしたんですけどね(笑)。

近藤:そうそう。1枚目からずっと深沼君がエンジニアもやってるんですけど、どんどんアルバムを作るごとに、深沼君もGHEEE以外でいろんな仕事もしているからエンジニアとしての力量が格段に上がっていくのも感じていたし。そういう意味で、時間なくて深沼君が大変になってるのがわかってたけど、任せられたっていうか。信頼感もすごくあるので。きっといいのができてくるんだろうなっていうのはあったんですよね。

深沼:ミックス・エンジニア兼任っていうのをGHEEEの結成くらいから本格的にその形になったんですよね。それまでは、TDはエンジニアさんに任せて、録りとアレンジをやるっていう形でプロデュースをしていたんですけど。今は外部の仕事も、メジャーでの仕事もミックスまでやるようになったので。そのへんは現場で鍛えられたものがあるのかな。その能力を100パーセント以上にやらないと間に合わないくらいでしたけど、今回は(笑)。