Japanese
GHEEE
2014年05月号掲載
Member:近藤 智洋 (Vo/Gt) 深沼 元昭 (Vo/Gt)
Interviewer:吉羽 さおり
-それは、家での録音環境の問題でですか。
深沼:単純に機材面の問題ですね。これとこれを通してっていうのが結構強くあって。基本、最終的にはコンピューターなので、ソフトでこの音を作るんです。他の場所でもできるっちゃできるんですけど、その前のアナログ面での処理とかも含めて自宅でないとこのレベルまでいかないんですよね。これ、話し始めるとすごく長くなっちゃいますけど(笑)。情緒的にじゃなくて、技術的に、自宅じゃないとダメっていうところが出てきちゃったんですよね。昔は、リラックスできるから家で録るとかだったんですけど。今は単純に機材面で、家のこれがないとダメっていうふうになってきて。
近藤:俺のまわりでもGHEEEのことを好きな人と話しているとき、深沼君は家で全部録ってるよっていうとびっくりするんですよね。アンプとかにこだわって、音作りしてるんですかとか言われるんだけど、いや全然アンプとか通してレコ-ディングで弾いてないなっていう(笑)。
深沼:GHEEEの音だと、1回もアンプ鳴ってないんですよね。
-へええ、そうなんですか。
深沼:ギター・アンプ使ってないんですよ。ギターからコンピューターにいって、この音なんですよね。昔はアンプで録って、もうちょっとこうだったらいいのにっていうのをひたすら追求していたんですけど、最終的にそれが、家の自分の組み上げたシステムじゃないとこの音にならないっていうところまでいったんですよね。それ言うと、みんなびっくりするんですけど。スタジオはリズム隊のためにやってる感じですよね。いいリズム隊の音を録るために一緒に歌って演奏するみたいな。
-そうやって作られているとはすごく意外でした。近藤さんは、GHEEEのなかでのご自分の音のこだわりなどはありますか。
近藤:どっちかというと音に関しては、全部深沼君に任せちゃうという感じで。逆に俺は何も言わない方が面白いなと思って。歌だったり歌詞だったり、あとはライヴだったり、自分の活きるポジションみたいのはよくわかってるので(笑)。そこで、全力を出すみたいな。例えば俺がライヴでピンのヴォーカルでも、深沼君とHisayoちゃんとYANAががっちりサウンドを作ってくれている信頼関係があるので、それができるというか。そこで俺は何をすべきかと言ったら、そこで自由に遊ぶのが俺の仕事かなと思って。そういうのは意識していますけどね。
深沼:それで、ステージからはみ出たりするっていう(笑)。あとはやっぱり、8曲くらいはすでにライヴでやってあって、最後、残りの4曲は近藤さんと共作だったり、近藤さんがひとりで書いた曲とかが多いんですけど。そこになると、こういう曲が欲しいとか、こういうものが足りないと思うっていうので、そこは狙って書きましたね、ふたりで。
-共作としては「Speed of sound」などがそうですね。タイトル通り加速感があって、熱い、相当アグレッシヴな曲になりましたね。
深沼:これをリハなしで、レコーディング当日に叩かせるっていうのは、かなり鬼でしたけどね(笑)。とくに変拍子の嵐なので、ドラムのYANAさんが大変な曲で。これは、僕がまずドラムとギターだけのデモを作ったのかな。それを近藤さんに渡して、その後近藤さんとパートわけについてメールを1回交わして、その次にはもうレコーディングだったので。
-スリリングですね。
深沼:作ったというよりは、デモを渡したあとは。
近藤:流れ作業みたいな(笑)。
深沼:もう録るしかないっていう。だから、僕が作った時点で作ったとも言えるし、最後まででき上がってなかったとも言えます。歌詞がきたのは直前でしたからね。で、リハもやってないので。ああ、こういうベースが入って、こういう歌詞がついたのかって、レコーディング当日に知るという感じでしたね。「On the beach」なんかも、これは近藤さんのほうでパートわけは考えてあったんですけど、イントロとかは考えてなかったんですよね。リズム隊はとりあえず"たぶんこんな感じのイントロが入るかもしれないから、何となく叩いておいて"って言って、その場でやってもらって。後から、全体的なサウンドを考えたっていう感じですかね。
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