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INTERVIEW

Japanese

nano.RIPE

2014年01月号掲載

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Member:きみコ (Vo/Gt)

Interviewer:山口 智男

-バンドをやりたいと思ったきっかけがスピッツだったんですか?

そうですね。音楽を好きになるきっかけがスピッツでした。もちろん、それまでもいろいろ聴いていたんですけど、1つのバンド/アーティストにハマッたのがスピッツが最初で、それが小6とか中1だったんですけど、そこから音楽の魅力にとりつかれて、自分でも歌ってみたいと思うようになりました。ただ、自分の声にコンプレックスがあったから、歌いたいと思いながら人前で歌う気にはなれなかったんです。だから、実は最初はベースだったんです。THE BLUE HEARTSのコピーから始めました。

-人前でも歌えるようになったきっかけがあったんですか?

初めてカラオケに行ったとき、こんな声が自分でも出せるんだって気づいたことがきっかけでした。それまでは、あたしはどうしてこんなに低くてハスキーな声なんだろうって、同級生のかわいい声に憧れていたんですけど、歌えば、あたしにもそういう普段、喋る時とは全然違う声が出せるんだって。

-nano.RIPEの曲を聴いていると、ササキさんときみコさんのバックグラウンドにある音楽って、ひょっとしたらけっこう違うんじゃないかって。

そうかもしれないですね。ジュンはユニコーンを聴きながら育ったそうです。最初はどういう音楽が好きかなんて関係なく、ただバンドをやりたい人たちが集まっただけだったんですよ。だから、音楽の趣味もばらばらで、コピーもいろいろやりましたけど、オリジナルを作るようになってからはジュンとあたしはお互いに好きなバンドを聴かせあうようになりましたね。そこから段々、バンドとしてやりたいことや自分たちがどんな音楽を作っていきたいかが見えてきたんです。この間、実家に帰ったときたまたま昔の音源を見つけて、聴いてみたら、これはどこにも出せないっていうぐらいキャピキャピしてて(笑)。

-あ、キャピキャピしてたんだ(笑)。

それでもあたしっぽい歌詞だなとかジュンちゃんっぽいフレーズだなとかって思えるところがあったのがおもしろかったんですけど、でも、やっぱりかなり変化しているんだなって自分でもちょっとびっくりでしたね。

-その頃はどんなバンドを目指していたんですか?

元々は、ザ・女の子ヴォーカルって言えるようなバンドをやりたかったんですよ。だから、ギターも持たず、ハンドマイクでクルクル、ピョンピョンしてましたね(笑)。それが段々、ギターを持って......野球をやっていた時もそうなんですけど、バンドの世界も男社会だと思うんですよ。やっぱり圧倒的に男性が多いじゃないですか。あたし自身、女だからってバカにされるようなことがけっこうあって。たとえば、対バンで初めて会ったバンドから、"女の子なのにギターを弾くんだね"とか"意外にちゃんと弾けるんだね"とかって。向こうは何の気なしに言ってるんだとは思うんですけど、あたし、負けず嫌いなところがあるので、あたしが男だったら言われないセリフだよなって。それが悔しくて、徐々にステージングも変わっていって、今やバンドの中であたしが1番男らしいって(笑)。

-これまでの9年間を振り返って、どんなふうに思いますか?

やっぱりメンバー・チェンジが多かったので、それは苦しかったですね。メンバーがようやく落ち着いてよかったと、最近、改めて思いました。