Japanese
たむらぱん
2013年12月号掲載
-ジャケット写真、アーティスト写真、MVの3つが共通していますよね。音楽で表現した"love and pain"を視覚的アプローチにもなるアートで表現すると、より意味合いは強まると思います。
そういう思いで作ったつもりではありますね。やっぱり音楽は耳に寄るもので、アートは視覚や感触に訴えるもので。お互いから得られる情報を補い合うというか、相乗効果という意味でも大事なものなんじゃないかと思ってます。人にとって目に見えている状態はとても強いので、(音楽とアートワークの結びつきは)結構重要なものだと思っています。
-今回のアレンジはどういうふうに決まっていったんですか?
"極力アレンジをしない"というイメージで作業をしたので、楽器の重なりは少なくなっていると思っていて。音に関しては各楽器の役割というか、フレーズ感、音が鳴っていないときの役割とか、そういうものがすごく強調されて......そういう意味では楽器の重要度というか、音質の大事さは改めて確認できたアレンジ作業ではありますね。最初は音がないことが不安だったりするんですけど......音だけではなくて、いろんなものに言えることだけど、無駄なものが多かったんだなーと思うこともあって(笑)。音を減らすならメロディや歌詞、歌に信用を持ってくるのが大事だと思って。それぞれの役割を理解して信用していく......そういう変化というか、発見はありましたね。
-"信用"って素敵ですね。シングルでもリリースされた「ココ」はシングル・ヴァージョンとアルバム・ヴァージョンではまったくアレンジが違うので驚きました。
もともとシングル自体出す予定がなかったんです。アルバムがほぼほぼ完成した頃にアニメの主題歌としてシングルをリリースするお話が来て。アルバムの雰囲気は決まっていたけれど、アニメで求められているものは正反対だったんです。それでどうしよう?と思ってたんですけど、アレンジ違いを作ってアルバムに入れていいと言ってもらえたので、シングル・ヴァージョンとアルバム・ヴァージョンを同時に作って同じ日にレコーディングしたんです(笑)。歌詞とメロディは一緒だけど、ふたつのアレンジの差はつけたくて。歌詞とメロディがしっかり存在していれば、音が変わっても曲が成り立つことをきちんと証明できたような部分もあるというか......そういう役割を担ってくれたので、結果的にはすごく良かったと思ってます。
-"アルバム・ヴァージョンって書いてあるけどシングルと何が違うのかわかんないよ"と言いたくなってしまうアレンジも世の中には多いですからね。
そうですよね、そうなったら嫌だなと思って。最初はシングルでもアルバムでも行けそうな雰囲気の曲にできないかなと半端なものも作ってたんですけど、大体そういうものはだめですね。シングルにも合わないし、アルバムにも合わなくて。でもシングル曲もアルバムに入れたいから、ちゃんと割り切ろうと思ってふたつのアレンジを作りました。シングル・ヴァージョンを作るときはアニメの監督と話をして、曲調に対する熱い思いを受けて作って。アルバム・ヴァージョンは自分のものとして存在させる一方で、シングルはアルバムのイメージを受けるというわけでもなく、単体のイメージで作っていったところはありますね。自分の曲をリアレンジするという経験も初めてで、やったことがなかったから本当に不安だったんですけど、結果的にはテンションが全く違ったものが作れて。そういう挑戦は思いもよらないところからやって来て、"やってみれば意外とできるんだな~"ってほっとしました(笑)。
-ははは。今回は切ない楽曲が多い今作のなかで「第2ステージ」は明るめな曲ですね。
雰囲気としては明るいかも。選曲のうえで強弱をつけるために作ったわけではなくて、ただただそうなった感じなんですけど。次の段階にいい状態で進むことだったり、試練のようなことだったり......暮らしているなかで自分の状況が変わることは割と起こることで、そういうところのイメージで作っていきました。
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