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INTERVIEW

Japanese

浅井健一

2013年01月号掲載

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-確かに人の視線はないほうがいいのかも。

歌う時はね。まぁでもプロのミュージシャンだったら、ひと昔まえまでは絶対、歌入れするなんてさ、でっかいスタジオで時にはなんかその重役とかがガラスの向こうで見とる前でさ、歌入れするとかさ。

-(笑)、それはいわゆる“歌手”ならあるでしょうけど。

そういうことがやれないとプロの歌手ではないっていうかさ。それはそれでやっぱりそんだけの度量もなければ歌手はつとまらんっていうのもわかるんだけどね。ただまぁ俺んたちが昔から目指しとる音楽は、そういうことなんかできなくてもいいじゃん?それよりもホントに聴いた人の心に響くか響かないかっていうところがいちばん問題でしょ?で、そういう(響く)テイクを録るのは、誰もいない自分だけの場所で録るっていうのは……そういう点ではプロトゥールスの発明っていうのは、そういうミュージシャンにとってはいいよね。

-なんか浅井さんから直接、手紙をもらうようなものだし。

あー。

-歌って特にそうだなと。人の声だし。

うん、そうだよ。直接、手紙出したようなもんだよ(笑)。

-(笑)。ホントに?そういう解釈でいいですか?

(笑)、いや、そういう場面もあるかもね。素直に表せた歌詞は何ヶ所かある。それはたぶん昔から俺の音楽を聴いてくれてる人にもわかってもらえると思うし、初めて聴く人にもなんか伝わるんじゃないのかなって思っとるけどね。ただ、新しいことはやってないよ。ただ、出てきていいと思える、だからいいんだけど。

-「Mona Lisa」の“みんながみんなで悲しい方へと/船を進ませてること以外”というラインとか、今だからよけい響くというところはあるんですが。

まぁ、そればっかりは仕方ないだろう。その中でもね、がんばって生きていかないと、と思うけど。

-浅井さんの音楽はそういう中でも自分の好きなことを自由にやっていくことが、ずっとテーマとしてあって。

うん。やっぱ光がないと。光がない歌なんて聴きたくないもん。だからそうね……コンセプトはカッコいい音楽を作ろうと思っとるのと、聴いた人がなんか明るい方向に転じるっていうか。もともと明るい人がもっと明るくなるのはもちろんいいし……光を感じてくれたら嬉しいかな。

-新しいメンバーでのライヴはイベントで1本やったんですよね。どうですか?手応えは。

いや、楽しかった。これはめちゃくちゃ良くなると思う……(思い出したように、当日ライヴがあった)THE BIRTHDAY、見に行く?

-行かないです。浅井さんは?

行かない。見たことないね、よくイベントとかで一緒になったりはするけど。ライヴ見るのあんまり好きじゃないんだよね。やるのは好きだけど。

-面白くない?

いや、よっぽど凄かったら、“すっげーな!”とか思うけどねぇ、そういう時は悔しくなって、見てらんなくなるし、かったるいバンドはもちろん見てらんないし、どっちみち見てらんない。自分の目指すところに向かっていたいなっていう。

-確かに音楽作ってる人の感覚としてはそうなのかもしれない。

うん。リスナーじゃないんだって。池畑(潤二)さんが言ってたけど、“ホントにそうだなぁ”と思ったのは、バンドやっとるヤツにとっては他のバンドは全部敵なんだって。フェスティバルで仲良くしたりするけどさ、でも内心みんな敵だと思っとる。それでいいんだよね。それが普通の状態だと思う。

-今回だって、メンバーの半分はスカパラのメンバーだけど、ここでやる時はバンドだと?

うん。だから欣ちゃんとチャーハン(加藤隆志)と一緒にやっとる時はもちろん仲間だけど、2人がスカパラやっとる時はそれは敵だわ(笑)。それはそれでいいじゃん、けんかするわけじゃないもん(笑)。ミュージシャンとしてはそれでいいんじゃない?わかりやすくて。

-それぐらい思える人とやってるってことですよね、レベルというか。

うん。そうだね。

-了解です。ツアー、楽しみにしています!