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INTERVIEW

Japanese

堂島孝平

2013年01月号掲載

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-環境と心境のタイミングが合ったということですね。

“いい音楽だけをやっていればどうにかなる”っていう時代はとうに過ぎてるんで。音楽に守られているような世界じゃないんですよね。デビューしたばっかの新人じゃないから、いろんな人が見向きしてくれるには何をどうやっていくか?!っていうところ。だから、たくさん人前に出て行けるようなことに転化していくというかね。アルバムも少数精鋭で作ってるけど、そのぶん小回りきくからたくさんライヴ打とうっていう発想にもなるし。そういうことを全てひっくるめて、音楽をやる上での新しい形態を作ったっていうところがあると思います。音楽を作る上でもそうだし、ライヴの仕方もそうだし。いろんなものを削ぎ落としていったから、フォーカスが当たりやすくなったって言えると思いますね。

-その構想は『A.C.E.』で固まってきたのでしょうか。

『A.C.E.』も最初は漠然と“やってないことをやってやる”っていう気持ちだったんですよね。それで自分のなかの1曲がどんどん出来てきて、ちゃんとそのときそのときの自分の最新型にして真骨頂と言える楽曲が出来るようになってきて。“これは面白いアルバムになるかもな”という気持ちが芽生え始めて。それが……良かったと思います。しかも『A.C.E.』が37分くらいだったんで、いい具合に全て語ったような感じでもなくて。ライヴにおいてだったり、人前で披露することになって、いろいろ考えを巡らせてるうちに出来てきた曲が『A.C.E.2』になってきてると思いますね。

-じゃあライヴをやりながら曲を作って、レコーディングをなさって。

そうですね。「ないてんのわらってんの」とか「き、ぜ、つ、し、ちゃ、う」とか、特になんも言ってないでしょう(笑)?

-はははは、確かに(笑)。

あれって完全にライヴをやってて必要だと感じたから作ったんです。『A.C.E.』がかなりダイナミックなものに仕上がったんで、人前でやったら反応が早いかなと思ったら、自分が思ってたほどでもなかった。これはもうちょっと、誰が聴いても、“なんだかわかんないけど楽しい”“何言ってるかわかるから楽しい”、どちらかをトライしなきゃいけないなぁっていうので出来たのがあの2曲。なんだかよくわかんないけど“きぜつきぜつ”って言われると楽しくなってくる……っていうものに至ってるっていうのもありますね。これはRISING(SUN ROCK FESTIVAL)に出るんでフェス向けで夏くらいに曲を作ったんですけど、同時期に人生のわびさびや諸行無常感を歌った「世界のはじまり」も作ってるんで……ちょっとおかしいんすよね、きっと(笑)。全てを同系列でやってるけど、今振り返ってみるとおもろいし、自由度が広がったと思います。

-生活や環境の影響も大きいんですね。

“A.C.E.”は日常のでこぼこや、目の前のことを歌うことで人生を歌っているってことになればいいなっていうスタートなんです。……博愛的だったり、前向きになれることとか、おっきいことを歌うつもりはなかったので。そこがきっと、全ての(活動の)速さにも通じてるんじゃないかなと思いますね。

-それも“A.C.E.”での挑戦だったんですね。

シンガー・ソングライターとしてもっと歌えることがあると思ってるし、そういうことをやったほうが音楽としてもソリッドになっておもろいと。別にそれは人生を歌わないってことじゃなくて……「ア・ストロボーイ」ではストロボを擬人化して歌ってますけど、消えてしまう1秒間や2秒間のことを歌っているということで、物事の始まりと終わりを歌っている。やみくもに大きいテーマを歌うのではなく、そういうような発想なんですよね。