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INTERVIEW

Japanese

The Mirraz

2012年10月号掲載

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Member:畠山 承平 (Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ


-ギターもドラムもベースもヴォーカルも強く攻めているけれど、非常にあたたかさを感じました。サウンド面でのコンセプトなどはいかがでしょうか。

最初はダブステップの影響で作った曲だったんです。最初はドラムにもディレイがかかっていたので、かなりダブステップを意識していました。でも最終的に“宇宙”っていうのがキー・ワードになってましたね。ガンダムのアニメとか見ながらRECしたりして。ダークなリフからサビで開ける、みたいのは狙ってやったわけではなく、自然にこの流れが出来上がった感じです。こうなって当たり前、みたいな感じです。そういう感じって、言葉で説明するのはすごく難しい。頭の中で鳴っていたから、それを形にしただけ。

-両A面の「気持ち悪りぃ」はシニカルで、思わずクスッと笑ってしまいます。この曲が完成するまでのエピソードを教えて頂けますか?

僕の知り合いの子供の両親が不倫していたんですよね。その子がかわいそうだなーと思っていたときにある記事を読んで、その子のために作った曲です。その記事には、両親が不倫している子供のほとんどがそのことがトラウマになり、自分が恋愛出来なくなったり、結婚出来なくなったりしてしまうと書いてあって。じゃあそういう子のために音楽が出来ることが何かないかなと考えて“あー気持ち悪りぃ!”って叫ぶことで、ストレスとか、そういうものがなくなればいいなと、そんな感じで作りました。サウンド面は、The Mirrazの攻撃的な曲は速い曲が多かったので、ミドル・テンポの攻撃的な曲を作ってみたかった、とかそういうのもありますね。

-歌詞と音のユーモアもThe Mirrazの魅力ですが、「気持ち悪りぃ」「E-miんの歌」もその奥にあるもの、リスナーに突き付けられてるものはシリアスなテーマだと思います。そういうバランスが面白いし、音にも詞にも説得性もが出ていると感じました。

ユーモアって表現の“余裕”を表してると思うんです。そういう余裕が、よりシリアスなメッセージを届けてくれたり、ただただ重い言葉を並べるよりも伝わりやすいんじゃないかなと思います。今までだったら“畠山個人の怒り”を歌ってるのがThe Mirrazって思われてると思うんですが、この2曲は“主人公が別にいるな”っていう客観性が、そういうバランスを作り上げてるんじゃないかなとも思います。もちろん今までも畠山個人の怒りをただぶつけてるってわけじゃないんですけどね。でも歌詞や表現は作るたびにレベルは上がってると思うので、どんどん良くなってると思います。歌詞にも新しさが欲しいので、歌われてないんじゃないかなーっていうテーマを選んで書いたりしています。

-「E-miんの歌」はヒリヒリした音と語感の融合がとってもクールですね。これは移籍を歌ったものだと思うのですが、歌詞を深読みすればするほど面白いです。

メジャー初ということで、移籍の歌、みたいの作ったら面白いよな、くらいの気持ちで作った曲です。移籍=移民、移民の歌をネタに作ろうかな、みたいな。したら移民って言葉の中に“E-MIん”ってEMI入ってるじゃん、みたいな。歌詞の内容はよくあるバンドの移籍の話、みたいのを書いてますが、それがメインじゃなくて、もっと大切なことがちゃんと描かれているので、ポップソングとしていい曲だなと思う曲にまとまりました。EMIをディスってる曲じゃないです。

-様々なイべントやライヴのゲスト出演、レコ発ツアーとハロウィン・ライヴも決定して秋からお忙しくなりますね。

ライヴもよりこだわれる環境になったので、いいライヴが出来ているぞっていう自信がついてきました。なので、お客さんには楽しみにしていてほしいです。

-メジャー・デビュー・シングルがリリースされるとなると“1stアルバムはいつだろう?”という期待も高まりますが、曲作りなどはいかがでしょうか?

メジャー初のアルバムということで、大切なアルバムになるので、まだまだ色々検討中です。来年中に出せればいいかな、という感じです。まずはこのアルバムくらいボリュームのあるシングルを楽しんでもらえたら、と思います。実際、今までのThe Mirrazのアルバムより収録時間が長いんじゃないかっていう。