Overseas
ART vs SCIENCE
2011年04月号掲載
Member:Jim Finn (Key & Vo) Dan McNamee(Gt& Key & Vo) Dan Williams(Dr)
Interviewer:沖 さやこ
2008年に学生仲間の全くのノー・プランで結成されたオーストラリア発のスリー・ピース・ダンス・ロック・バンド、ART VS. SCIENCE。数多くの新人賞を受賞し、大規模なフェスやライヴ・イヴェントに多数出演、自国オーストラリアだけではなくアメリカやイギリスなどでツアーを行い、精力的な活動を重ねた彼らがこの春満を持して日本デビュー。コンピューターを一切使わない完全生バンドで各国大小様々な会場を熱狂の渦に巻き込んできた彼らの全貌がとうとう明らかになる!
-口ずさみやすくて、踊れて、エモーショナルで、聴いてるこっちがハイでハッピーになれる。今作は皆さんの音楽の持つそういう部分が十二分に引き出されたアルバムになっているように感じました。
Dan McNamee(以下DM):もともとみんな好きな音楽がバラバラだし、幅広く好きだから、そういういろんな要素が自然と自分達の曲の中に出てくるんじゃないかな。曲を作るときは基本的に即興なんだ。その場で色々ジャムって作ることが多いから、自然と自分達が好きだと思うことが出てくるんじゃないかな。
Jim Finn(以下J):ジャムったりして作るんで、基本的に楽しんで作りたい。そういうのが自然と出てるんじゃないかな。
-今回のタイトルは『The Experiment』=“実験”という言葉ですが、この作品はART. VS SCIENCEにとって実験的作品だったのでしょうか?
J:作曲の過程でどんな音をつけられるか、どんな作曲方法が出来るか、そういうのを色々試す実験だったかな。
-私は完全生バンドでダンス・ロックを行うこと自体が大実験だと思うんですよね。コンピューターを使うとラクな部分も大きいと思うんですが、それを敢えて全て生で行っていらっしゃるんで。
Dan Williams(以下DW):最初バンド始めたとき、そんなやり方がまったく分かんなかったんだ(笑)。「生でやったほうが楽しい」っていうのが多分最初から3人ともあったんだよね。ひょっとしたら「パソコンとかで作るより面白いものを作ってやる」っていうのもあるのかも。
J:やっぱり生でやってたほうが自分達も心地いいんだ。お客さんに対してもそのほうが伝わると思う。パソコンで作ったものだと、作ったものを繋げるだけで自由度が無いっていうか。生でやってると、お客さんの反応に対してどんどんどんどん変化を付け加えられる。そういう“生でやることの自由さ”っていうものに、パソコンは敵わないかな。
-今のJimさんの発言を聞くところ、皆さんの音楽は完全にライヴを意識して作っているということですね。
DM:僕らはライヴで出来ないようなことは絶対レコーディングしないんだ。僕にはギターと2つのキーボードがあって、Jimにも2つのキーボードがあって、Danのドラムがあって、それで充分。3人でいろんなメロディや音が出せるし、それでまかなえるっていうか。それで出せる音でしか録音しないんだ。だからライヴを常に意識しているよ。
-ベーシストがいないのもダンス・ロックの中では新しいですね。
J:僕が主に低音のキーボードを出しているんだけど、ギターがアンプで爆音の歪んだ音を出すように、僕のキーボードの音もアンプを通して出してるんだ。ぬくもりのある音だったら反響した低めの音を出せるし、パンチのある音にしたかったら……って自在に変えられる。やっぱり普通のエレキ・ベースだと、そのベースの役割しかなくて、そっから変化を付けるにはなかなか難しかったり。そういうのがあるから敢えて入れてないんだ。
DM:アンプを通してキーボードを鳴らすことによって、いろんな音に変化させられる。低音だけでもいろんな質感を出せるんだ。歌うようにも出せるし、もっとボトムを上げるような感じにも出せるし。そういうのは普通のベース・プレイヤーがいるよりは面白いんじゃないかなって思ってるよ。
-これまでのダンス・ロックはコンピューターを使用しているのもあるからか、クールなイメージが強いものが多いですよね。けどART VS. SCIENCEは完全に生バンドで音を鳴らしているから、肉感があってダイナミックな熱さを感じるんです。
J:あんまかっこつけたりとか、お客さんよりも自分達のほうがかっこよくなろうとか、そういうヒップな感じを出しちゃうと、ライヴに来てくれたお客さんとは繋がれないと思うんだ。僕らは“みんなとその場を共有してる”っていう空間を作りたいんだよね。演奏しているのは僕達だけど、ここにいるみんなのパーティーだ、っていう感じを出したい。だからどうしても、かっこつけたりする空気は出したくなくて。だからクールな感じっていうよりは、肉体的な感じになっちゃうのかな。もともと僕ら二枚目なわけでもないしね(笑)。
LIVE INFO
- 2024.11.28
- 2024.11.29
- 2024.11.30
- 2024.12.01
- 2024.12.02
- 2024.12.03
- 2024.12.04
- 2024.12.05
- 2024.12.06
RELEASE INFO
- 2024.12.04
- 2024.12.25
- 2025.01.08
- 2025.01.22
- 2025.03.28
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ASP
Skream! 2024年09月号