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INTERVIEW

Overseas

GARDA

2010年08月号掲載

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Member:Kai Lehmann(Vo&Gt)

Interviewer:伊藤 洋輔

ノイズを極めた先にある静謐な世界か、純真な音楽愛か――ドイツはドレスデンを中心に活動している不定形ユニット、GARDAのインタビューを届けよう。日本デビューとなる本作『Die,Technique,Die!』は本国で2008年にリリースされており、その後のヨーロッパ・ツアーで地道だが着実にファンを広げていく。2年を掛けその余波が日本にも伝わってきたが、良質な作品とはどんなに時が経とうと消費されることも風化することもない、すなわち時間軸を喪失させる普遍性に彩られたもの。この美しい光景を、ひとりでも多くのリスナーに堪能してもらいたい。そう願っている。

-はじめに、あなたの自己紹介からお願いします。

僕らはドイツのドレスデンでそれぞれ活動をしているミュージシャンで、このプロジェクトのため一時的に集まっているんだ。レコードでは最高で9人が同時に演奏をしているけど、ライヴでは2人から7人でステージに上がることが多いね。CLAIMというノイズ・バンドとTHE GENTLE LURCHというUSインディっぽいローファイ・バンドの元メンバーで構成されていて、2006年にGARDAを結成したんだ。もう10年以上も知り合いで、それぞれが良い友人なんだよね。このプロジェクトの意味とは、友情を維持しつつ、我々が誇りに思えるようなものをクリエイトする、ということかな。

-なるほど。では改めて、日本デビューおめでとうございます!現在の心境を聞かせてください。

ありがとう!何て言ったら良いか分からないくらい嬉しいよ(笑)。自分たちのレコードが日本でも聴かれるなんてね、気に入ってもらえれば幸いだけど。それとANATHALLOやTallest Man On EarthをリリースしているMoor Worksからリリースされるというのも、僕らにとっては光栄なことなんだ。『Die,Technique,Die!』をレコーディングしていた頃は、そんなに遠い場所に自分たちの音楽が届けられるなんて思いも寄らなかったし、まさかこんな風になるなんてね(笑)。でも、一生懸命やった甲斐があったよ。

-まだ情報があまり伝わってこない状態なので、基本的なGARDAのプロフィールを教えてください。まずはバンド結成の経緯からお願いします。

GARDAの誕生は言わばアクシデントのようなものなんだよね(笑)。僕のバンド活動の始まりはCLAIMというノイズ・バンドでノイズを掻き鳴らしていて、そのバンドのレパートリーには入らないような楽曲は自分だけのものとして書き溜めていたんだ。ある日、僕の近い友人が「シンガーソングライターのイベントがあるから出てみないか?」と誘ってくれたんだ。それからどうしようかと悩んでいろいろ議論をしたんだけど、最終的には友人に説得されるような形で出演を決めたんだ。でも出演のアイディア自体に惹かれ始めた気持ちと同時に、一人で壇上に上がり演奏をすることのプレッシャーが押し寄せてきたんだよね。そこでCLAIMのドラマーであるRonny(・Wunderwald)に、一緒に演奏をしてくれないかと助けを求めたんだ(笑)。そうして行なったショウは無事成功し、一週間後にTHE GENTLE LURCHと会ったんだけど、そこでお互いの楽曲をシェアしながら、「5人グループとして演奏できないかな?」という話になったんだ。そうこうしているうち徐々に参加するメンバーが増えてきて、ベースやチェロ、伝統的なドイツ音楽を演奏するブラスバンドに在籍しているトランペッターなど、いつの間にか大人数のメンバーに膨れ上がっていったんだよ。

-では“GARDA”というネーミングの由来は何でしょうか?

何年か前にアイルランドに滞在する機会があったんだけど、あの地で市警のことを“GARDA”と呼ぶんだ。同じ意味で、暗い、明るい、安全、道を見失うなどがあり、僕らの音楽を示している最高の単語だと思ったから名付けたんだ。

-音楽の道へ進んだきっかけとしては何かエピソードがありますか?例えば、幼少期から音楽に溢れた環境で育ったとか?

実は音楽をプレイするようになったこと自体非常に遅くて、20歳くらいからなんだ。それ以前は単純にオーディエンスだったし、GARDAの結成自体アクシデントだし(笑)。だから始めは練習スタジオに入り浸っていろいろ試していったんだけど、当時のは聴く価値のないような音楽だらけだったかな(笑)?それから4年間ヴォーカル・レッスンを受けて、ギターを習い、スタンダードなピアノのレッスンも受けたから、本格的に歌い出すまでにずいぶんと回り道をしたような感じがしたよ。