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INTERVIEW

Overseas

GARDA

2010年08月号掲載

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Member:Kai Lehmann(Vo&Gt)

Interviewer:伊藤 洋輔


-あなたの魅力が集約されたような、Track.3「Chest」の流れは感動的なまでに素晴らしいです。穏やかなヴォーカルやコーラス、ギターなど、幾重もの繊細なサウンドが絡まる音響構築が圧巻ですが、この曲のエピソードを教えてください。

信じてもらえないかもしれないけど、「Chest」は2006年に地下の練習スタジオでバンドとして最初に演奏した楽曲なんだよ!今でも好きな楽曲で、初期のライヴからプレイし続けているんだ。バンドにいるみんなが一つになれると言うか、GARDAが最も必要としている楽曲と言えるだろうな。

-そうだったんですか。では次の質問ですが、あなたが想う、最新のテクノロジーにはない、フォークだけの普遍的な魅力とは何でしょうか?

すごく良い質問だね。そうだな……、新しいテクノロジーや電子楽器などに依存せず、アコースティックで構築された良い楽曲が良い楽曲たり得るのは奇跡なんだと思うよ。楽曲が必要とするあらゆる可能性を検討するのが重要だけど、最適な組み合わせを見つけ出すことは非常に難しいことだよね。例え最先端のテクノロジーでも、楽曲が必要とするのであれば僕らもそれを使用すると思うし、逆にそれが楽曲の良さを消す場合もある。本当に難しい選択だよ。

-出自であるドイツの音楽シーンについても聞かせてください。英米やここ日本でも音楽不況が叫ばれる昨今ですが、それはドイツでも同様ですか?また、そちらで人気の高い日本のアーティストはいますか?

Envyが大好きなんだ。去年ライヴを観たんだけど、今まで見たショウの中でも最高と言って過言じゃないパフォーマンスだったな。本当に素晴らしいバンドだよ!あとMONOはドイツで非常に人気があるよ。それと音楽シーンに関してだけど、どこでも音楽不況は同じだよね。それぞれの理由はそれぞれの地で違うだろうけど、問題は莫大な収入を得るアーティストと生き残るのに必死な小さなレーベルやバンド、その間に広がる格差だと思うよ。新しい流通網を模索中のインディ・レーベルよりも、大きなメジャー・レーベルの方がたくさん文句を言っているようにも感じるよ。ネットの問題もあるけど、例えばキッズが違法にダウンロードを重ねたとしても、それをきっかけにライヴへ足を運んでくれるのであればバンドにとっては良いことなのかなとも思うんだけど、合法な形でレコードも買わず、ライヴの入場料に文句を言う筋違いの奴もいるからね。

-うんうん。同郷のアーティストで、あなたのオススメやお気に入り、またはライバルとなるようなアーティストはいますか?

ハハハ、ライバルはいないよ!みんなフレンドリーなんだ。聴くべきバンドはたくさんいるけど、ベルリンのWELL DONE JACKSON POLLOCKは偉大なインスト・バンドだよ。僕らが個人的に崇拝しているTHE GREEN APPLE SEA、素晴らしいデュオのTALKING TO TURTLES、あと勿論僕らがそれぞれ在籍しているCLAIM、THE GENTLE LURCH AND CALAVERAS!他にもたくさん素晴らしいアーティストがいるからドイツ・シーンを探索してみてよ。

-わかりました。では、あなたの人生観とは何ですか?そしてそれは、音楽観と同義でしょうか?

僕にとって人生とは、この世界の中の自分の小さな場所、友人や家族、自分の歩んできた道、そうしたすべてに自分が値するのかどうか、そんな問い掛けや答えを捜し求めることだと考えているんだ。その中でも音楽は非常に重要なポジションを占めていて、人生の持ついろいろな側面を表現する最良の道具なんだ。時々、いや、いつだって音楽は僕にとってのセラピー、良い薬みたいな感じかな(笑)。

-来日の予定はありますか?今後の活動を教えてください。

現時点で明確なプランニングは出てないけど、日本に行けたら素晴らしいよね。いくつかショウをプレイして、異国情緒を発見し、いろんな人々に会う、なんて想像しただけで最高だよ。それと不思議なんだけど、実は日本のレーベルの方とはお会いしたことがなくて、E-mailのみでの連絡なんだ。すごく良さそうな人たちだから、余計に日本へ行ってみたいと思うよ。近い将来実現できれば素敵だよね。でもやっぱり僕らの音楽を好んでくれる人がいるかどうか、それが1番重要なんだけど(笑)。

-それは絶対大丈夫です!GARADAの美しいメロディは日本人の心にも響きますよ。では最後に、あなたの音楽が聴き手に与える影響としてどのような感情を喚起させたいと考えますか?

なんでもいいんだよ。何らかを想起してもらえれば、それ以上の嬉しいことはないからさ。僕らは特定の感情をオーディエンスに求めたりすることはしないから。それと最後に一言、インタビューをしてくれてありがとう。いつか会える日を楽しみにしているよ!