Overseas
FRIGHTENED RABBIT
2010年04月号掲載
Member:Grant Hutchison (Dr)
Interviewer:伊藤 洋輔
-どのようなプロセスでFRIGHTENED RABBITの音楽は作られていくのでしょうか?作詞作曲作業はすべてScottがひとりで行うのですか?
Yes、FRIGHTENED RABBITの曲の大方はScottが担当している。彼が歌詞とメロディ・パートを作って、僕はドラム・パートを少しやるだけ。今回は(これまでよりも)ドラムに物凄く力を注ぐことが出来たんだ。これまでと比べて、曲の中のインストゥルメンテーションな部分が多かったから、僕達はその中にあれこれ入れ込んだってわけ!2ndアルバム『The Midnight Organ Fight』は、Scottにとって非常にパーソナルなものだったから、他の人達が参加する意味はあまりなかったんだけど、今回彼は他の意見にもっとオープンだったんだ。
-ではアルバムの話に戻ります。『Winter Of Mixed Drinks』というタイトルが印象的ですが、この意図はなんでしょう?
冬場に酔っ払うこと!それぞれが好きなように解釈して良いと思うけど、昨年凄く長い期間ツアーに出ていたから、僕達の人生は酒を中心に回っていて、それがこのタイトルに関係しているんだ!それに、このアルバムの大きなテーマは「海」なんだけど、それをタイトルで言いたくなかったんだ。タイトルではあまり海とは関係なく、アルバムに違った趣を与えてくれるようなものを使いたかったんだ。このタイトルは「Living In Colour」に出てくるフレーズだよ。
-本作のテーマやコンセプトはありましたか?
テーマになったのは、人生で必要ないものを大事にするのではなく、実際に必要なものにフォーカスしようということ。自分を知ることから逃げないで、自分を作り上げているものを見つめよう、そんなテーマなんだ。
-どこかせつなくも暖かみある幸福感に彩られた楽曲群は素晴らしいですね。個人的な意見ですが、「Swim Until You can’t See Land」の美しさには虜になりました。この曲はどのようなイメージで作られたのですか?
Scottが全曲をクレイルというスコットランドの美しい海沿いの町で書いたんだ。この曲は自分の限界を試すこと、自分をギリギリのところまで持って行って、そして何とかそこから戻って来ることについて書かれている。このアルバムでは海が非常に大きな役割を果たしていて、作品のテーマとして凄く上手くハマっていると思う。
-アグレッシヴなロックから繊細なフォーク・ミュージック、ダンサブルなエレクトロニカが強調された楽曲もあれば、シューゲイザーのようなフィードバック・ノイズが印象的なものまで幅広いサウンドが素晴らしいですね。まさに音絵巻のような世界ですが、アルバムには頭に浮かんだありのままのサウンドをそのまま放出した、というような感覚があったのでしょうか?
今回はスタジオ入りした時点では、曲は殆んど具体化していなくて、だから作業が進む中で形づくっていったと言う感じなんだ。方向性についてのアイディアは何となくあったんだけど、でも実際に命が吹き込まれたのは、レコーディングしてからのことだった。今回このように作業を進められて、凄く良かったと思っている。
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