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INTERVIEW

Overseas

BLACKMARKET

2010年02月号掲載

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Member:Daryl Ramon(Vo&Gt)

Interviewer:遠藤 孝行

全世界に先駆けて日本で発売されたEPで一気にブレイク、1stアルバム・リリース前から来日公演は大盛況。そのままFUJI ROCK FESTIVAL08にも出演。とにかくデビューを果たしてからの彼らの勢いは凄かった。BLACKMARKET。“BLACK”と名前の付くバンドは数多くいるが、彼らはその名の通りダークでソリッドな演奏で聴くものを圧倒する。メンバーの脱退を経て3ピースになった彼らの放つ今回のアルバムは、その影響を全く感じさせないパワフルなもの。そしてまた彼らの魅力の一つであった豊かな表現力も磨きがかかっている。まさに理想の2ndアルバムと言っても過言ではないだろう力作だ。今回はこのアルバムの聴き所はもちろん制作過程、メンバーが大好きだと語る日本の事までたっぷり語ってもらいました。

?とても力強くソリッドな素晴らしいニュー・アルバムだと思います。自分達での手応えはいかがですか?

とてもハッピーだよ。今回のレコーディングのプロセスはとてもリラックスしたものだったんだ。その雰囲気は今回のアルバムから聴き取れるんじゃないかな。

?今作を聴かせて頂きソングライティングの部分がとても成長したように思います。制作するにあたってのアイデアはどのようなものだったんですか?

アイデアっていうよりも自然に出てきた感じだね。考えたものではないんだ。バンドみんな、考えすぎてしまう傾向はあるんだけど、驚くべきことに今回はそうじゃなかったんだよ。それに今回曲作りにしっかり時間もとれたから、曲のクオリティ自体もかなりあがっていると思うよ。色んな違ったスタイルの集合体ということもあって、『St. Vincent Decor』というタイトルをつけたんだ。

?以前よりミドル・バラッドがとても美しくJETはたまた BEATLESを彷彿とさせます。制作する上で、影響を受けたアーティストまたはイメージはあったんでしょうか?

まず最初に、ありがとう。そう言われて素直に嬉しいよ。次に、そんなイメージはなかったなぁ。僕は確かに潜在的に影響を受けているのは確かだと思うけど、それを目指したってことはないかな。

?なるほど。そして、今作は前作同様に、とても生々しくいい意味で荒いストレートなロック・サウンドやまた美しいアレンジなどもありバラエティに富んでます。サウンド面のコンセプトはあったんでしょうか?

前作の曲はすごくタイトだったよね。今回はちょっと余裕をもって、様々な要素、楽器や音楽を盛り込んだものになったんだ。
今回のプロデューサーのPete Minと僕は今作でチャレンジしたストリングスのオーケストレイションがすごく楽しかったし、例えば「Blue Lemon」のコーラスのパートなんかもそうなんだ。色々な音楽的なチャレンジをすることが出来た作品だよ。

?今作のオープニング・ナンバーである「Tongue Twister Typo」はとてもオープニングに相応しいエネルギッシュなナンバーだと思います。この曲はどのようにして出来たんでしょうか?

統合失調症の僕の古い友人と出会ったことから生まれた曲なんだよ。僕は彼と長く会っていなかったんだけど。彼がその病気を患っていることは知っていたんだ。彼はすごく楽しくて愛すべき人間だし、いつだってクリエイティヴなんだ。彼と時間を過ごした後、家に帰ってみたら湧き出るようにこの曲が出来たんだ。この曲は自然に出来たんだ。書き上げるのに10分もかからなかった。僕はこの曲を演奏する度にあいつのことを考えるんだ。