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INTERVIEW

Overseas

PATRICK WATSON

2009年07月号掲載

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Member:Patrick Watson(Vo,Key)

Interviewer:佐々木 健治

前作『Close To Paradise』が本国カナダで大ヒット。ポラリス・アワードでは、あのARCADE FIREを抑えて、最優秀アーティストに選ばれたカナダの4ピース・バンド、PATRICK WATSON。前作発売後はツアーを繰り返し、新作への期待が高まる中、まるで壮大な映画を観ているようなサウンド・スケープを描き出す最新作、『WOODEN ARMS』が完成した。この美しいアルバムについて、Patrick Watsonにメール・インタビューで話を聞いた。

-新作『WOODEN ARMS』完成おめでとうございます。アルバムが完成して、どんな気分ですか?

前2作(自主制作盤から数えると今作で3作目)よりもいいし、次はもっといいものを作りたいね!この作品は以前のどの作品よりも、自信を持っているよ!

-前作での成功を受けて、プレッシャーもあったのではないですか?

成功なんて言ってくれて嬉しいね(笑)そんな風に考えたことも無かったよ。僕らは常に前を向いて行きたいので一つの所に留まっていられないんだよ。だからプレッシャーなんて全くなかったよ。

-壮大な映画を観ているような作品ですね。今作のコンセプトは何でしょうか?

特にコンセプトみたいなものは決めていないんだよ。僕達は物語の「語り部」「指揮者」だと思っているんだ。スタジオに入って鳥肌が立つようなものがあったらそれを録音する。メンバー間には様々な音楽的な影響があるから、その物語はいつも思ってもいなかったところに行き着くのさ。そうやって出来上がったアルバムだと思っているよ。ただ前作に比べるとライヴ・レコーディングの割合が増えているからそれが違いと言えば違いかな。前作は沢山のポスト・プロダクションを施したものだったからライブで再現するのが大変でね。今回は生でオーガニックなフィーリングという、違ったアプローチを試したかったのさ。また、今回はドラマーが普通のドラムセットを叩きたがらなくてね(笑)木の枝、ヤカン、鍋、キッチン用品などなどいろんなものの音が入っているよ。

-今作は、様々な国でレコーディングされたそうですが、その意図は何だったのでしょうか?

意図というか、前作をリリースしてから250本くらいのライヴをこなしてきたから、ツアー漬けで、ツアーの合間にレコーディングするしかなかったんだよ。

-収録されている楽曲はどのように出来上がっていったのでしょうか?

僕たちはいろんなアプローチで曲を作っているんだ。誰かの歌詞から始まることもあれば、誰かのコード進行から始まることもあるし、誰かの物語のフィーリングやアイデアから始まることもあるんだ。そうやってレコーディングやライヴで曲を進化させていくんだよ。

-製作において、苦労した点はありますか?

これはシンガー・ソングライターのレコードではなく、バンドの努力だということを強調したいね。皆が演奏家としても語り手としても良くなっていると感じているし、メンバー同士やメンバーの周りとの意思疎通も良くなっていると本当に感じるんだ。そして学ばなければならないこともまだあるとも感じるし。(残りの人生全て学び続けないといけないのかもね)。苦労した点というのは、、余り無いかな。

-僕は子供の頃に、一度、カナダに行ったことがあるのですが、生活も街も全てが日本と違って、新鮮でした。人々も空気もとても穏やかで、自然もたくさんある。とても素晴らしい国だという印象があります。カナダでの暮らしは、いかがですか?

そうだね。モントリオールは大きな街だけど、他の国の大きな街とはちょっと違うんだよね。生活費も高くないし、従わなければいけないルールもそんなにないし、ストレスがそんなにないんだよ。

-カナダで暮らすことが、あなたの音楽性に影響を与えていると思いますか?または、カナダから発信する音楽というような意識を持っているかと言い換えてもいいのですが。

自分の周りの環境が音楽に影響を与えていることは間違いないね。たださっきも言ったようにここ何年間かはツアー漬けだから、自分達がツアーで行った先々の影響を受けているとも言えるし、それが自分達の音楽に反映されていることは間違いないと思うよ。