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INTERVIEW

Overseas

PATRICK WATSON

2009年07月号掲載

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Member:Patrick Watson(Vo,Key)

Interviewer:佐々木 健治


-カナダの音楽シーンについて教えて下さい。最近では、ARCADE FIREなどがまず思い浮かびますが、カナダの音楽シーンは現在、どんな状況なのでしょうか?

うーん。シーンについてはあんまりよく分からないけど、モントリオールのシーンがカナダのシーンだと思ってもらって構わないと思うよ。カナダのシーンは素晴らしいアーティストが沢山出てきている事は間違いないね。個人的には自分の時間をしっかり取って、音楽制作に集中できる場所っていうところが重要でね。ニューヨークとかロンドンにいることが有利に働くとは全く思えないんだよ。カナダの音楽シーンで頑張っている人はそう思っているのかもしれないね。

-アメリカという、あらゆる意味で巨大な国家が、ほぼ兄弟のように隣接しています。あなたから見て、アメリカという国はどんな存在ですか?

うーん。あんまり意識した事はないね。自分達はフレンチ・カナダ人だから、アメリカ文化よりもフランス文化の影響が大きいね。民族主義的にいうつもりはないし、そもそもそんな人間では全くないけど(笑)。エンターテインメントの話はエンターテイナーに、政治的な話は嘘つきたちに任せようぜ!

-あなたの音楽は、聴く人の心象風景に訴えかけるタイプのものだと思いますが、いかがですか?想像力を喚起してくれるというか。

そういってもらえると嬉しいね。ただ自分達としては『この曲はこうだからこういう風に聴いてくれ!』とかいうつもりはないんだよ。聴いた人が自分なりの解釈で、自分の人生にその楽曲を反映させる。何かを音楽を通して感じてもらえれば僕らは十分さ。

-心象風景は国や地域、そして、一人一人によって違うものですあると同時に、誰もが持っている共通項ですよね。そういう意味で、とてもボーダーレスな作品でもあると思いました。例えば、BJORKやSIGUR ROSなどもそうですが、彼らの音楽については、どう思いますか?

彼らのことはもちろん知っているし、大好きだよ。BJORKは特に好きだね。ただ、あんまり人の音楽の事をああだこうだと言いたくはないんだ。

-アイスランドでもレコーディングをされていますが、アイスランドでのレコーディングはいかがでしたか?

生の欠泉が見られたり、面白かったよ。一曲目の『Fireweed』(ヤナギランの意味)は火山の噴火跡に真っ先に育つ植物で、ほらアイスランドって火山が多いんだよね?そんな所からついた曲名なんだよ。

-あなたは、映像作品にも積極的に関わっていると伺いました。映像作品に取り組んだからこそ、音楽に反映されたというような影響はありましたか?

曲の一部を作詞・作曲・創作していると、ビジュアルの側面が作用し始めるんだ。このビジュアル要素が作用し始めると、この一部分が『曲』というよりもむしろ『物語』みたいに感じられるんだよ。
(※アルバム1曲目の『Fireweed』のビデオはPatrick Watson自身が監督をしている。)

-最近、よく聴いている音楽は何ですか?

クラシックかな。

-日本には、昨年一度来られていますが、日本の印象はいかがでしたか?

日本は大好きだよ。実は住みたいとさえ思っているんだ(笑)。それは無理としても、次作は是非日本でもレコーディングしたいね。違った文化を持つ国で創るのだから、今までとは全く違ったものになるはずだよ。

-昨年は、世界中でライブを繰り返されたそうですが、印象に残っている国や、何かエピソードがあれば、教えて下さい。

ライヴはもちろん、月のような景色が観られたアイスランドや、モンマルトルの丘や、ワインの旨いフランスなど印象深い国は沢山あるけど、やはり「人」だね。出会う人からインスパイアされることの方が多いね。「Big Bird In A Small Cage」は、ベトナム旅行をした時にミュージシャンの家に泊めてもらったんだけど、そこにコレクションされていた何百種類もの鳥からインスピレーションを得ているんだ。

-今作が完成して、またツアーに出られるのでしょうか?今後の予定を教えて下さい。

そうだね。ツアー、ツアーさ。この夏には日本にもサマーソニック・フェスで行くから是非ライブを観に来てもらいたいな!