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INTERVIEW

Overseas

KASABIAN

2009年07月号掲載

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Member:Sergio Pizzorno(Vo&Gt)

Interviewer:佐々木 健治


-ちなみに、『Endtroducing』からは、もともと影響を受けているそうですね。『Endtroducing』は、あなた方にとって、どういうアルバムですか?

S:今までの概念を吹き飛ばす、凄い作品。大好きなアルバムの一枚だよ。

-本作は、かなりビートを意識したものになっていますね。ドラムとベースがまず耳に届いてくるような。ただ、同じようにビートが重要なファクターになっていたファーストとは、ビートの質がかなり変化しましたよね。隙間と空間がしっかりとあって、緻密になっている。今回、ビートを作る上で、意識したことは何でしょうか?

S:曲を作るうえで、ビート単体をどうしようとか、そういうやり方はしていないんだけど、曲それぞれに、その曲にあった、違ったノリのビートが乗っているだろ?そこは意識したという点かな?

-中盤には、異国情緒漂う曲が続きます。どこか全く知らない遠くの国へ旅をしているような気分になります。こうした曲群を作る上で、インスピレーションのもとになったものはありますか?

S:このアルバムはどこか移動している時とか旅している時に聴いてほしいと思うアルバムだからそう言ってもらえるのは嬉しいね。インスピレーションのもとになったというと、60年代とか70年代の映画のサントラとか、そういったものに影響を受けているんだけど、この時代の音楽、特にサイケデリックなロックなんかはそういうエスニックな要素が強いから、そこからそういう印象を受けるのかもしれないね。

-2曲目「Where Did All The Love Go?」やラストソング「Happiness」などは、アルバムの中でも、とてもシンプルな希望を歌っている曲だと思います。アルバム全体の不穏な世界観とは異質ですが、愛や幸せを歌うこれらの曲も、あなた方にとっては、やはり欠かせない要素ですか?

S:もともと俺たちのやっている音楽やライヴ会場でみんなに与える体験は、この狂った世界の中で、唯一人を幸せにしてくれる「逃げ場」だと思っている。そういった意味ではそうだね、曲の中である意味ユートピア(理想郷)を見せようというところがあるから。

-あなた方にとって、このアルバムの道標になったような曲はありますか?

S: 一番最初にできていた曲が「Fire」、「Fast Fuse」なんだけど、この曲はそういう曲かな。

-あなた方が、音楽を通して表現しようとしていることの核は何なのでしょうか?

S:難しいこと言うね。何だろう?(笑)

-KASABIANは、基本的にサイケデリックなロックを鳴らし続けていますよね。あなたがたにとってサイケデリックとは、どういうものですか?

S:サイケデリックはサイケデリック以上の表現が見当たらないよ(笑)。好きだけど。

-音の質感がいいオーディオで聴く為の音作りになっていると思いましたが、いかがですか?

S:そう言ってもらえると嬉しいよ。音の質感にはこだわったから。いいオーディオで聴くと、さっき言っていた音の奥行きとかそういったものを楽しんでもらえると思うよ。

-今は、i-podでも何でも、利便性が最優先で、とりあえず聴ければいいという音質を前提にしている音楽も多いですよね。そういう状況に対して、思うところはありますか?

S:そういう音楽ばかりが増えてしまったというところにも責任はあると思う。

-最近、例えば、一緒にツアーを回ってみたいというようなバンドはいますか?

S:うーん誰だろう。今回もところどころで一緒にやっているOASISとのツアーはいつも刺激的で楽しいけど。

-今年は、SUMMER SONICでの来日も決まっていますね。最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。

S:SUMMER SONICはいつも楽しみにしているよ。最初の来日のときから凄かったからね。でも今年のサマソニでのライヴは何か更にすごいことになりそうな予感がするよ。だから絶対に見逃さないほうがいいと思うよ。