Japanese
2022年11月号掲載
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旅立ちへの期待と不安とをないまぜにしたキラキラとした青い景色を描き、エモーショナルなメロディと疾走感のあるギター・サウンドで勢い良く放つ「征く」で幕を開けるミニ・アルバム。"底なしの青"というバンド名のままに、青春期ならではの心情を、憂いを帯びた下田陽太の歌声で綴るギター・ロックだが、そのサウンドはままならない気持ちを抱え突っ走るだけでないドラマに満ちている。ブリティッシュ・ロックのポップさや、またイマジネイティヴに思いを馳せていくスケール感のあるロック、時には渋いギター・リフが狼煙を上げる70年代ハード・ロックをヘヴィに奏でるなど、踏み入れたらずぶりと深い作品になった。今作が初の全国流通盤となった仙台発の4ピース。多彩な青の色彩を持つバンドだ。(吉羽 さおり)