Overseas
2020年06月号掲載
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2018年の前作『A Brief Inquiry Into Online Relationships』と対になるニュー・アルバム。環境活動家 グレタ・トゥーンベリのスピーチに端を発し、UKガラージ、アンビエント、ヒップホップ、果てはインダストリアル・パンクまで多種多様な音楽的背景、地球温暖化やLGBTQなどの社会的トピックが22曲に詰め込まれ、まるで現代社会の混沌をパッケージしたかのよう。そんな一歩間違えば雑多な作品になりかねない題材を、洗練されたサウンドへと見事にまとめ上げるのがTHE 1975という稀代のバンドのなせる業なのだろう。変化し続ける世界に道標を立て続ける旅のような作品で、それだけにバンド・メンバーへの愛を歌うラスト・トラック「Guys」が胸を打つ。(菅谷 透)