DISC REVIEW
Japanese
2018年10月号掲載
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ウソツキ
Diamond
ウソツキの新作は、ラヴ・ソング一色。とはいえ重たくもなく、美しすぎる言葉を並べるわけでもなく、"曖昧な気持ちの中にある本当のこと"を丁寧に、上質なポップスに乗せて歌うことを重視したような印象。「名もなき感情」は"は?"、"あ?"、"え?"といった普段の喋り言葉が、いい違和感のあるフックを作り出しており、サビでは恋心を"グーってきて/ぎゅーっとなって"などと言葉にならないまま表現しているのが、不器用なリスナーにより響くであろう楽曲だ。そして、軽快で親しみやすいサウンドのラスト・トラック「ラブソングは無力だ」に、それでも歌うことを選んでしまうバンドのもどかしさと、この作品に込めた真意が滲む。キュンとくるけど甘すぎない、希代の名曲が詰まった1枚。
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