Japanese
2018年09月号掲載
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前作収録曲「海へいこう」のMVで彼らを知った身としては、まず"変わったなぁ"と思った。ギターの音色からしてかなり違うし、中性的な印象のあったヴォーカルは男らしくなった。ライヴで鍛えられ強固になったグルーヴが前面に出ているため、全体として泥臭くなったような印象があるのだ。メンバーの楽しそうな表情が目に浮かぶような生き生きとした演奏。そこにもともとのこのバンドの持ち味である、甘酸っぱいソングライティングが掛け合わさったらどうなるか......。本作のタイトルは"スクラップ イン マイ ルーム"。"部屋を見れば住む人のことがわかる"とよく言うが、雑多な生活感と捨てられない思い出とを一緒くたにし、キラキラと輝かせる全7曲は、とても愛らしい姿をしている。(蜂須賀 ちなみ)
ベランパレードが2年ぶりのミニ・アルバムを完成させた。ポップでソリッドに響くサウンドと、歌王子あび(Vo/Gt)の優しさを感じさせる歌や歌詞。心地よい声と持ち前のポップ・センスにより、心の引っかかりがある曲たちは、ダイレクトに胸に飛び込んでくる。また、半径5mを嘘のない言葉で歌った曲たちは、どれも愛に満ちたラヴ・ソングで、退屈な日常も優しく、温かく、そしてキラキラと輝かせて映し出してくれるのだ。"抱きしめたい 抱きしめたい"のフレーズが耳に残る表題曲、先行無料試聴で話題を集めた「風邪のビリア」、あびとKota Kamimura(Gt/Cho)の共作で、ゆりえちゃん(Ba/Cho)もヴォーカルに加わるラスト・ナンバー「パン」など、最新型の彼らが見える楽曲からは、バンドの明るい未来も見えてくる。(フジジュン)