Overseas
2018年01月号掲載
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先行配信されていた中でも珍しくアッパーでマンチェ・ビートを思わせるグルーヴ・チューン「Little Thing Gone Wild」が新鮮だが、5年ぶりの新作でも漆黒のロックンロールは健在だ。だが、ノイジーなギターとリズム・セクションが醸す重量感と、ディレイが醸す浮遊感が同時に存在しており、どこか白日夢めいたナンバーが多いのは、作品のテーマによるものなのかも。THE VELVET UNDERGROUNDにエレクトロな要素を加味したような不思議な酩酊感のある「Echo」で、いったん開かれた印象になりつつ、ラストでは錆びた遊具のようなSEが滅んだあとの世界を想起させたりと、"間違った生き物は、我々人間なのか?"と思わせる、彼らならではのサイケなディストピアが味わえる"らしい"アルバムだ。(石角 友香)
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