Japanese
2017年01月号掲載
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"教室の窓の外を眺め/何が正解か見失うけど"。一瞬にして学生時代にタイムスリップするような、ピアノとストリングスのイントロに続く歌い出し。イトヲカシがキットカットの受験生応援キャンペーンのために書き下ろしたミディアム・ソング「さいごまで」は、いちアーティストからの応援歌というよりも、"いまの受験生"と同じように、必死に机に向かい、その結果に泣き笑いした"かつての受験生"から贈る、とても親身な応援歌だ。やたらにがむしゃらで、バカみたいにひとつのことに打ち込めたあのころを思い起こさせる、イトヲカシらしいノスタルジックな曲調は、とうの昔にその時代を通過した大人にも響くものがある。もうひとつの表題曲「カナデアイ」は、一転してアップテンポなロック・ナンバー。「さいごまで」と対になる、いつになく感情を剥き出しにした伊東歌詞太郎の衝動的な歌唱がぐっときた。(秦 理絵)