Japanese
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10周年記念のベスト盤をひとつの大きな節目に、オリジナルとしては久々となる7枚目のアルバム。今作はMASHが年齢を重ねるなかで、輝かしかった少年時代にフォーカスした自伝的作風に仕上がっている。それは"昔は良かった"という懐古趣味ではなく、現在の自分と照らし合わせて、年齢に関係なく"青春はずっと謳歌できるんだ"と力強く宣言しているよう。内側から沸々と滲み出た生命力を感じさせる楽曲も最高だ。MASHの透き通った歌声を軸にラップ調のニュアンスを取り入れた曲調もあり、自由度の高いヴォーカルは彼ならではの魅力だろう。音楽的にはピアノ、アコギ、ホーンなどを導入し、バンド編成でフォーキー且つ壮大な曲世界を描き上げている。芯の強さと人肌の優しさに満ちたサウンドはどこまでもあたたかい。(荒金 良介)