Japanese
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昨年、ヴォーカルのミワユータが病気からの復帰を遂げたELIZABETH.EIGHTの通算6枚目となるアルバム。脳炎で緊急入院して一時は後遺症に悩まされ音楽への復帰は絶望的だったというのが信じられないほど、力強いヴォーカルを聴かせている。サウンド面ではキーボードが加わったことで直情的なガレージ・サウンドにサイケ、グラム・ロック的な色っぽさが加わっており、ロカビリーチックな展開にピアノが艶を与える「ヘブンズ・イン・ザ・バッグ」にはその変化が如実に表れている。同曲に急性骨髄性白血病により療養中の深見之春(Gt)が参加しているのはファンにとっては嬉しいトピックだ。バンドが過ごしてきた月日への思いが凝縮されたようなラストの「冒険の書」は、強い意志で前を向いてきたバンドだからこそ歌える感動的な曲。(岡本 貴之)