Japanese
2016年09月号掲載
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長崎出身の4ピースで、昨年"Red Bull Live on the Road"で入賞、"SUMMER SONIC"にも出演したギター・ロック・バンドの1stアルバム。もう驚くほど00年代のASIAN KUNG-FU GENERATIONやBUMP OF CHICKENの手法と匂いが充満しているのだが、どストレートなギター・ロックでしか到達できない、"これが心底好きなんです"というブレのなさは、1曲に凄まじい情報を乗せてくる現行の主流バンドと比べても潔いほど。加えて、すべての作詞作曲を手掛ける坂口亮(Gt)のフェイバリット・アーティストは小田和正というのも納得。まだ語彙に推敲の余地はあるけれど、例えば"生きていく為に生きてるような/誰かに自分を重ねるような"(「レトロノーム」)といった息を呑む表現もあり、まだ何者でもない曖昧な状況にあるリスナーを射抜く存在になる可能性を感じる。(石角 友香)