Japanese
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20代前半という、大人の年齢でありながらまだ大人になりきれないモラトリアムな年頃の主人公。その何気ない日常における君と僕の日々を丁寧に切り取り、詩的に紡いだ8つの物語からなる短編集――odolが1年ぶりに完成させたアルバムは、前作以上に多くの人に向け開けた、より聴き手に寄り添う1枚に仕上がっていた。幕開けで、これから届ける"あの日からのこと"を"話させてよ"と歌う、普遍性を湛えたバラード「years」に、歪んだギター・サウンドと美しいピアノが瑞々しく協奏する「綺麗な人」、精巧なバンド・アンサンブルによって豊潤で立体感のあるメロディを作り上げた「退屈」など、多彩なアレンジが全編を通して光る。そのうえで彼らが鳴らしたいのは、あくまでポピュラー・ミュージックなのだ。(松井 恵梨菜)
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Skream! 2024年09月号