Japanese
2016年03月号掲載
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メジャー・レーベルを離れて以降、オバ犬は吹っ切れたというか自由度が上がったな、と思っていたが、その印象は本作を聴いても変わらず。4ピースのギター・ロックという基本編成はそのまま、ジャズのリズムが密かに香っていたり、ピアノの音色が煌いていたり、電子音が取り入れられていたり......と、その音はよりカラフルになった。だからこそ、まるで陽の光によって影が浮かび上がるみたいに、"嬉しさ1割、悲しさ9割"の世界のリアルや、その中で揺れ動きながら生活をする主人公の姿がまざまざと晒されていくこととなる。気の抜けたコーラのような、味の抜けたガムのような日常を丁寧に鳴らす音楽。たわいもない日々を愛すためのヒントは、もしかしたらここで見つかるかもしれない。(蜂須賀 ちなみ)
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