Japanese
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洪水のようなギター音と前のめりに煽るビートではじまるTrack.1「クライマクス」。まずこの圧倒的な音でブラックホールのようにリスナーを引き込んでいくアルバムになっている。そして引っ張り込まれた先に広がるのは甘美な世界。ピアノの柔らかな音色を基軸にしたレゲエ・チューン「シューゲイズ」や、フリーキーで万華鏡的コラージュ感のあるダンス・ミュージック「フリー」など、様々なステップを踏むリズムが流れ、変わりゆく景色の中をたゆたうようにKuroのヴォーカルがのっていく。刻むビートは細やかで高揚感があり、しかしそのタイム感は午睡に溶け込んでいく時のような、心地好さがある。夢とうつつをシームレスに繋いで、音の揺りかごに乗せて揺さぶるアルバム。切なさと懐かしさを湛えた歌心がまたいい。(吉羽 さおり)