Japanese
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透きとおるような美しい歌声による歌が洗練されているせいか、全体の印象はポップに聴こえるものの、BUMP OF CHICKEN以降の日本のギター・ロックの流れやポスト・ロックおよびシューゲイザーといったオルタナ以降の感性が入り混じったサウンドはかなり聴きごたえあり。2007年結成の4人組、shepherdが満を持して完成させた1stフル・アルバム。アートワークを含め、メランコリックな世界観を打ち出しながら、アップテンポのロック・ナンバーからバラードまで曲ごとに趣向を凝らしたアレンジが最後まで飽きさせない。中にはモータウン・サウンドを思わせるバウンシーなポップ・ナンバーやストリングスも使い、壮大なスケール感をアピールした曲もある。邦楽と洋楽の影響が入り混じるそのバランスが新しいと思わせるバンドは、このshepherdをはじめ、これから増えていくような気がする。(山口 智男)