Overseas
2013年12月号掲載
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"心臓が止まるほど美しい"と評されたデビュー作『Hopes And Fears』から10年を経たUK発の4ピース、KEANE。作品は毎作UKチャート1位となり、日本でもこれぞUKロックたる叙情性の高い鍵盤サウンド、繊細で憂いがあり、かつ大らかでアンセム的なメロディ・ラインが人気の彼らの、初のベスト・アルバム。2枚組で、1枚はシングルや定番曲のベスト・セレクション、もう1枚は初CD化となる曲などをセレクトしている。泣きの琴線に触れるだけでなく、ブライトで高揚感のあるスケール感たっぷりのサウンドもこのバンドの真骨頂。ドラマ性の高い王道感を、正攻法で形にしてプレイするというアプローチがリスナーの裾野を広げている。この真っ直ぐな姿勢を磨いた、重厚な10年が詰まっている。(吉羽 さおり)